2015 Fiscal Year Annual Research Report
リソソーム不安定化がもたらす樹状細胞のダイイングコード発信機構と免疫学的重要性
Publicly Offered Research
Project Area | Homeostatic Regulation by Various Types of Cell Death |
Project/Area Number |
15H01390
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Research Institution | National Center for Global Health and Medicine |
Principal Investigator |
反町 典子 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, その他 (30217468)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | リソソーム / IL-1 / パイロトーシス / 樹状細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
MHC クラスI はエンドソーム・リソソームへの輸送とリサイクリングによって抗原を補足・提示する。私たちは、樹状細胞におけるMHC-I の輸送が、シス型MHC-I 受容体Ly49Q によって制御され、MHC-I とLy49Q のシス相互作用が破綻するとリソソームの不安定化が引き起こされること、その結果パイロトーシス様細胞死とそれに伴うIL-1 放出が惹起されることを見いだした。この結果は、MHC-I とLy49Q のシス相互作用が、これら分子の輸送先であるリソソームの安定化を媒介していることを示している。本研究はMHC-I とLy49Q のシス相互作用によるリソソーム不安定化のメカニズムと、産生されるIL-1のダイイングコードとしての免疫学的意義を明らかにすることを目的とした。リソソーム不安定化に膜脂質組成が関与する可能性を考え、脂質代謝酵素の細胞内局在を免疫組織学的手法によって解析した結果、樹状細胞はLy49Qを発現する分化段階を境にスフィンゴミエリン-セラミドサイクルに関わる脂質代謝酵素の発現分布のパターンを変化させること、Ly49Q欠損樹状細胞では発現分布パターンの異常が生じることを見出した。さらに成熟した樹状細胞では、比重遠心法によって当該酵素の細胞内局在検討したところ、炎症刺激に伴って細胞膜から後期エンドソームへ移行すること、Ly49Q 欠損樹状細胞では当該酵素の移行が阻害されていることを見出した。脂質代謝酵素がLy49Qの発現に依存した制御をうけてエンドリソソームに刺激依存的に局在するという知見は、刺激下においてエンドリソソームの膜脂質組成がLy49Q依存的に制御されている可能性を示唆し、リソソーム不安定化の一つのメカニズムである可能性が考えられる。重複制限により本研究提案を中止することとなり、上記以外で本年度計画した実験は行われていない。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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