2016 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリア酸素・カルシウム制御におけるミトフュージン機能の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Oxygen biology: a new criterion for integrated understanding of life |
Project/Area Number |
15H01408
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
今泉 祐治 名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 教授 (60117794)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ミトコンドリア / 低酸素 / カルシウムシグナル / イオンチャネル / ミトフュージン / 血管平滑筋 / 血管内皮 / 薬理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
①低酸素ストレスによる脳血管内皮細胞の異常な細胞増殖は、血液脳関門を破綻させ、低酸素脳症の悪化に関与することが知られているが、その分子機構については不明な点が多い。これまでの研究で、脳血管内皮細胞株であるt-BBEC117細胞は、低酸素ストレスによりストア作動性Ca2+流入を増大させるが、その分子実体であるOrai1/Orai2のタンパク質発現量は変化させなかった。本研究では、脳血管内皮細胞の膜電位制御に関与する内向き整流性K+チャネルであるKir2.1チャネルとその発現を調節するダイナミン2に注目した。低酸素ストレスによって、ダイナミン2の発現は増加した。ダイナミン阻害薬は、低酸素ストレス誘発性Kir2.1チャネルの発現増加と活性上昇を抑制した。低酸素ストレスによるダイナミン2を介したKir2.1チャネルの活性増大が、脳血管内皮細胞の異常な細胞増殖を起こすことから、この機構が低酸素脳症における血液脳関門の破綻に関連することが示唆された。
②平滑筋Ca2+マイクロドメインはタンパク質複合体のプラットフォームであり、効率的なシグナル伝達に重要であると認識されている。本研究では、筋小胞体とミトコンドリアを近接させるミトフュージン2の細胞内Ca2+動態における役割の解明を目指した。ミトフュージン2のノックダウンによって、アゴニスト誘発性Ca2+増加に伴う細胞質Ca2+緩衝能は緩徐になり、ミトコンドリアCa2+取り込み能は低下した。ミトフュージン2のmRNA発現は酸化ストレスにより増加し、その発現亢進は活性酸素のスカベンジャーによって抑制された。活性酸素誘発性のミトフュージン2発現亢進はミトコンドリアの融合を促進した。平滑筋Ca2+マイクロドメインにおいて、筋小胞体とミトコンドリアの機能連関を促進するミトフュージン2は、細胞内Ca2+制御におけて重要な機能を果たしていると考えられる。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(41 results)