2015 Fiscal Year Annual Research Report
大脳皮質領野間フィードバック結合の層特異的な機能の解析
Publicly Offered Research
Project Area | Mechanisms underlying the functional shift of brain neural circuitry for behavioral adaptation |
Project/Area Number |
15H01427
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小坂田 文隆 名古屋大学, 創薬科学研究科, 講師 (60455334)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 逆行性ウイルス / イヌアデノウイルス / フィードバック / チャネルロドプシン / 領野 / 高次視覚野 / 2光子顕微鏡 / Flp |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、大脳皮質の特定の領野における特定の層に由来するフィードバック結合を特異的に標識する方法の開発を行った。 まず2/3層の細胞あるいは5層の中で皮質間結合を持つ細胞にのみCreを発現するマウスを探索した。その結果、皮質下に投射する細胞にCreを発現するL5SC-Creマウス、および大脳皮質の領野間を結合する細胞にCreを発現するL5CC-Creマウスを同定した。2/3層の細胞については、論文報告に基づいてL2/3-Creマウスを検討し、あるいはマウス胎仔にin utero electroporationを用いて2/3層細胞に特異的にCreを導入した。 改変型狂犬病糖タンパク質でpseudotypeしたHIVベクター(RG-HIV-FLP)を用いて逆行性にFLPを導入し、フィードバック結合の標識を試みた。CreマウスのV1へRG-HIV-FLPを注入し、各領野からV1へのフィードバック結合を標識した。2/3層あるいは5層由来のV1へのフィードバック入力はCreおよびFLPを発現することから、高次視覚野にCre依存的かつFLP依存的にChannelrhodopsin-2を発現するAAVベクター(AAV-Con-Fon-ChR2-GFP)を注入し、特定の高次視覚野の特定の層由来のV1へのフィードバック入力にChR2を導入した。しかし、標識効率は高くなく、方法の改良を試みた。 検討の結果、イヌアデノウイルスCAV-2を用いて逆行性に導入することで、効率が改善することが分かった。具体的にはCre依存的にFLPを発現するCAV2-FLEX-FLPをCreマウスのV1に注入して、特定の層由来のフィードバック結合にFLPを導入した。次に、FLP依存的にChR2を発現するAAV-fDIO-ChR2を特定の領野に投与することにより、特定の領野の特定の層由来のフィードバック結合にのみChR2を導入することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
条件検討の結果、特定の領野の特定の層由来のフィードバック結合を特異的に標識できる方法を確立した。以上より、おおむね順調に進んでいると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に確立したウイルス遺伝子工学およびマウス遺伝学を駆使した方法を用いて、特定の領野の特定の層由来のフィードバック結合の神経活動の操作を試みる。
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Research Products
(5 results)