2015 Fiscal Year Annual Research Report
柔軟な判断を可能にする神経回路シフトメカニズムの解明
Publicly Offered Research
Project Area | Mechanisms underlying the functional shift of brain neural circuitry for behavioral adaptation |
Project/Area Number |
15H01447
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
宇賀 貴紀 順天堂大学, 医学部, 准教授 (50372933)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 脳・神経 |
Outline of Annual Research Achievements |
状況に応じて瞬時に行動を切り替えるタスクスイッチングは、ヒトも含めた霊長類特有の適応的な認知機能である。本研究では、我々がこれまでに開発した2つのルールに基づいて判断を切り替えるタスクスイッチ課題で重要と思われる3つの脳領域、感覚情報表現がある大脳皮質MT野、判断に必要な情報が蓄積されるLIP野、タスクルールの表現がある前頭前野(PFC)間の相互作用を解明し、適応的な神経回路シフトの実体を明らかにすることを目標とする。 本年度は、LIP野から記録を取得し、主に局所電場電位(LFP)を解析した。LFPの時間周波数解析を行った結果、高周波数帯域は神経活動と同様、刺激の極性を考慮した刺激強度と関連した活動を示したが、低周波数帯域は刺激の極性を問わず、刺激強度と関連した活動を示した。これらの結果は、LIP野で判断に関連した活動が生成される可能性を示唆する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
MT野ーLIP野間の機能結合を計測するには、多くのニューロンからの集合電位を解析する必要がある。時間周波数解析を行い、周波数帯域ごとに異なった活動が得られたことにより、次のステップであるMT野ーLIPの同時計測や電気刺激実験での解析ツールが整った。よって、おおむね順調に進展していると言える。
|
Strategy for Future Research Activity |
MT野ーLIPの同時計測や電気刺激実験を行うことにより、MT野ーLIP野間の機能結合を定量化し、ルールに依存した機能結合の変化を見出す。この際、LFPの各周波数帯域がどのように変化するかに着目する。
|
Research Products
(1 results)