2015 Fiscal Year Annual Research Report
前頭皮質の動的経路変更機構
Publicly Offered Research
Project Area | Mechanisms underlying the functional shift of brain neural circuitry for behavioral adaptation |
Project/Area Number |
15H01456
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
川口 泰雄 生理学研究所, 基盤神経科学研究領域, 教授 (40169694)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 前頭皮質 / FS細胞 / パルブアルブミン / 抑制性結合 |
Outline of Annual Research Achievements |
前頭皮質は脳内の多様な部位と相互結合、あるいはループ結合している。投射先ごとに機能が異なり、また同一投射経路も複数のチャネルからできていることから、それぞれの起始ニューロンである錐体細胞に固有の制御機構があることが考えられる。そこでは、多様なサブタイプからなるGABA作動性細胞の選択的抑制が重要であると考えられる。今回、前頭皮質から線条体へ投射する5層錐体細胞の主要なサブタイプである交叉性線条体投射細胞への、主要なGABA細胞であるパルブアルブミン陽性FS細胞からの抑制作用を、領域内共同研究で検索した。FS細胞と線条体投射細胞から同時記録して、前者から後者への抑制性結合が見られたペアーで抑制性電流解析と、錐体細胞樹状突起部位を同定したFS 細胞軸索コンタクト部位の電子顕微鏡解析を行った。FS細胞軸索からのシナプス接合部において、その面積はシナプス後部の樹状突起シャフト断面積、あるいはスパイン頭部体積と相関していた。解析に用いたFS細胞の軸索終末の3割近くが、全体としては他ニューロン細胞体にコンタクトしており、バスケット細胞に分類された。しかし、シナプス後部の錐体細胞ごとに、細胞体に主にシナプスを作るものから、樹状突起だけにシナプスを作るものまで見られた。抑制性電流が記録されたペアーのうち二つで、シナプス部位が主に細胞体近傍に限局しており、電位固定された電流が直接記録できたと考えられた。これらのシナプス構造も再構築でき、接合部面積も求めることができた。そこで、固定電位での単位面積当たりの抑制性電荷量を計算したところ異なる二つのペアーで一致したので、FS細胞による抑制性強度は接合部面積に比例すると考えられた。この面積当たりの電荷量と、電顕再構築から求めた接合部面積から各シナプス部位の抑制強度を評価したところ、樹状突起へのGABA入力の局所作用性が明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
パルブアルブミン陽性GABA細胞からの線条体投射細胞への抑制において、樹状突起ドメインの抑制限局性や、錐体細胞ごとの抑制ドメインの組み合わせ多様性が明らかになった。
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Strategy for Future Research Activity |
FS細胞だけでなく、他のGABA細胞サブタイプの抑制機構を比較解析することで、前頭皮質投射の抑制性出力管理を理解していきたい。
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Research Products
(19 results)
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[Presentation] Conserved morphology of dendritic trees in cortical pyramidal cell2015
Author(s)
Mohamed AA,Kubota Y,Kondo S,Yamaguchi N,Hatada S,Nomura M,Younes HA,Tanaka YR,Abdalla KEH,Luebke J,Kawaguchi Y
Organizer
第38回日本神経科学大会
Place of Presentation
神戸国際会議場(兵庫県神戸市)
Year and Date
2015-07-29
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