2015 Fiscal Year Annual Research Report
新規in vivo 幹細胞競合モデルの創成と分子基盤解明
Publicly Offered Research
Project Area | Cell competition: a mechanism for survival of the fittest in the multi-cellular community |
Project/Area Number |
15H01485
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
樗木 俊聡 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (50233200)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 幹細胞競合 / 腸上皮幹細胞 / Atg5 / Ah-Cre |
Outline of Annual Research Achievements |
腸上皮幹細胞(ISC)に焦点を当て、幹細胞競合の存在の有無とその分子基盤を明らかにすることを目的とした。平成27年度は主にin vivo幹細胞競合モデルの構築を目指して研究を推進した。具体的には、Lgr5-EGFP-Ires-CreERT2/gene X-flox/R26R-IsI-tdTomatoマウスのgene Xの一例としてオートファジー誘導遺伝子Atg5-floxマウスを用いた。作成した、Lgr5-EGFP-Ires-CreERT2/Atg5-flox/R26R-IsI-tdTomatoマウス腸オルガノイド培養系に、ex vivoで様々な濃度のタモキシフェンを添加、ISCがtdTomato-と+のモザイク状になる至適濃度を決定した。その後、tdTomato-ISCとtdTomato+ISCを精製してqPCRによりAtg5遺伝子の発現を比較したところ、tdTomato+ISCで有意なAtg5の低下が検出されなかった。この問題は、当該マウスin vivoに低濃度のタモキシフェンを投与しても解消されなかった。Lgr5-EGFP-Ires-CreERT2に問題があると考え、beta-NF誘導性にCreを発現するLgr5-EGFP-KI/Ah-Cre/Atg5-flox/R26R-IsI-tdTomatoマウスin vivoに低濃度(0.4mg)のbeta-NFを投与したところモザイク状のISCが誘導された。さらにtdTomato-ISCとtdTomato+ISCを精製してqPCRによりAtg5遺伝子の発現を比較したところ、tdTomato+ISCで有意なAtg5の低下が確認された。これらの結果は、同系統をin vivo幹細胞競合モデルとして使用することの妥当性を示唆していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で述べたように、当初、in vivo幹細胞競合モデルの立ち上げで、Creが誘導されている(tdTomato+)にも拘らず目的遺伝子の発現が低下しないことが判明し当該モデルの再考を余儀なくされた。明確な原因が不明であったが、タモキシフェン誘導性のLgr5-EGFP-Ires-CreERT2の代わりにbeta-NF誘導性のAh-CreERT2に切り替えてマウスを作製して検討したところ、tdTomato+ISCで目的遺伝子の発現が低下していることが確認できた。このことにより、同系統に切り替えて実験を遂行することが賢明であると判断した。 上記以外にもCre依存性に活性化型の目的遺伝子が発現するマウスとの交配も進めており、系の立ち上げに予想外に時間がかかっものの概ね順調に推移していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、前述したin vivo幹細胞競合モデルを用いて幹細胞競合現象の有無とその誘導機構の詳細を明らかにすべく研究を推進していく予定である。モザイク状ISC誘導に至適な濃度のbeta-NFを投与して 経時的にクリプトを底面側から観察する。tdTomato+ISC/tdTomato-ISC比の減少が観察されれば、幹細胞レベルでの細胞競合現象が存在することになる。 腸上皮幹細胞競合現象の存在が確認された場合には、オルガノイド培養系を用いて同現象の誘導に関わる分子基盤を解析する。in vivoでモザイク状ISC誘導に至適な濃度のbeta-NFを投与後にクリプトを精製、オルガノイド培養を開始する。経時的に細胞死や細胞増殖能をtdTomato+ISCとtdTomato-ISCの間で評価する。 上記以外にも、Cre依存性にISCが活性化型b-Catheninを発現するマウスを作製しており、同様の解析を行いin vivo幹細胞競合現象の有無を解析していく。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Cytosine-phosphorothionate- guanine oligodeoxynucleotides exacerbates hemophagocytosis by inducing tumor necrosis factor-α production in mice after bone marrow transplanation.2016
Author(s)
Liu J, Guo YM, Onai N, Ohyagi H, Hirokawa M, Takahashi N, Tagawa H, Ubukawa K, Kobayahi I, Tezuka H, Minamiya Y, Ohteki T, and Sawada K.
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Journal Title
Biol Blood Marrow Transplant
Volume: 印刷中
Pages: 印刷中
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Bacterial c-di-GMP affects hematopoietic stem/progenitors and their niches through STING.2015
Author(s)
Kobayashi H, Kobayashi CI, Nakamura-Ishizu A, Karigane D, Haeno H, Yamamoto KN, Sato T, Ohteki T, Hayakawa Y, Barber GN, Kurokawa M, Suda T, and Takubo K
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Journal Title
Cell Reports
Volume: 111
Pages: 71-84
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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