2015 Fiscal Year Annual Research Report
細胞老化による脂肪細胞新生ニッチの変容と脂肪組織炎症慢性化機序の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Establishing a new paradigm of the pathogenesis of diseases through the understanding of stem cell aging |
Project/Area Number |
15H01506
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
眞鍋 一郎 東京大学, 医学部附属病院, 登録診療員 (70359628)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 慢性炎症 / 細胞老化 / メタボリックシンドローム |
Outline of Annual Research Achievements |
内蔵脂肪組織肥満は、遠隔臓器の機能や全身代謝に多大な影響を与え、生活習慣病集積の基盤となる。肥満では内臓脂肪組織において慢性炎症が惹起され、全身的な代謝異常や慢性炎症の波及・拡大をもたらすことが明らかとなっている。しかしながら、なぜ脂肪組織で炎症が惹起されるのか、また、加齢により炎症が慢性化しやすくなる機序はよく分かっていない。我々は新規に同定した細胞群(APDP細胞)が、脂肪組織炎症プロセスの引き金を引くことを見いだした。そこで、APDP細胞機能の制御における細胞老化、加齢に伴う脂肪幹・前駆細胞及びAPDP細胞の機能変調、脂肪細胞分化ニッチの変化を解析し、加齢による脂肪間質での細胞間相互作用の変容が脂肪組織炎症を遷延化する分子機序を明らかにすることを目的とすして研究を進めた。その結果、加齢マウスでAPDP細胞が集積していること、またDNA傷害シグナル分子が、APDP細胞の分化に重要なことを見いだした。また、APDP細胞のトランスクリプトーム解析から、マクロファージとは異なる特有の遺伝子発現を示すことを見いだした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
APDP細胞が加齢と共に集積することを見いだし、加齢関連疾患での慢性炎症に寄与していることが強く示唆された。また細胞老化のシグナルが脂肪前駆細胞分化を障害することを見いだしており、細胞老化とAPDP細胞出現との関連を明らかにするための情報が予定通り得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞老化によるAPDP細胞制御機構の解明を目的とし、APDP細胞分化誘導におけるDNA傷害シグナルの役割を解析する。細胞分化とDNA修復機転との関連を解析する。 また、肥満マウスの間質に存在する免疫細胞における細胞老化シグナルの活性化を検討する。加齢による脂肪前駆細胞、APDP細胞の変化を検討する。機能的な変化を解析することにより、脂肪組織炎症を誘導するメカニズムに迫る。
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Research Products
(4 results)