2016 Fiscal Year Annual Research Report
生活習慣病と組織幹細胞老化の連関メカニズム解明とその制御による予防・治療法の開発
Publicly Offered Research
Project Area | Establishing a new paradigm of the pathogenesis of diseases through the understanding of stem cell aging |
Project/Area Number |
15H01507
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山内 敏正 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (40372370)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 糖尿病 / 老化 / 発生・分化 / ゲノム |
Outline of Annual Research Achievements |
老化に伴って組織幹細胞の機能異常が惹起されるメカニズムと、それらを糖尿病が増悪させるメカニズムの解明を試みた。特に糖尿病発症・増悪に関わる遺伝・環境・エピゲノム制御因子と組織幹細胞の老化や機能低下との関係の解明を試みた。 先ず、老化に伴って、肥満し易く、糖尿病になり易くなるメカニズムの解明を試みた。老化に伴って、エネルギ―を消費する褐色脂肪やベージュ脂肪細胞らしさを特徴づける遺伝子の発現レベルが、褐色脂肪細胞やベージュ脂肪細胞そのものではなく、白色脂肪組織で低下することを見出した。興味深いことに、マウスの系統の違いによって、寒冷・薬剤刺激に伴う白色脂肪組織からのベージュ細胞の出現率が違うことも見出した。このことはDNAの配列、すなわち遺伝因子と、環境因子の両方が重要であることを示している。さらに重要なことに、エピゲノム解析により、ベージュ細胞らしさに重要な遺伝子発現のマウス系統間の違いを説明し得るオープンクロマチン領域を見出している。この系統間の違いは組織前駆細胞にまで保存されており、極めて重要な知見と考えられた。次に、これらの制御機構が、個体の糖・エネルギー代謝に与える影響を検討した。エネルギ―を消費する褐色脂肪やベージュ脂肪細胞らしさを特徴づける遺伝子の遺伝子改変マウスは、予想されるような糖・エネルギー代謝異常を示すことを見出した。さらに肥満糖尿病の病態では、これらの制御機構が低下していることも見出している。次にこれらの制御機構への介入が、肥満糖尿病の予防法・治療法開発につながる可能性について、検討した。興味深いことに寒冷刺激・薬剤刺激によって、制御機構そのものを正に活性化することが出来ることが明らかとなった。これらのことから、本制御機構への介入が肥満糖尿病の予防法・治療法となり得る可能性が示唆された。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)