2015 Fiscal Year Annual Research Report
CADASIL型Notch3タンパク質の老化と毒性機序の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Prevention of brain protein aging and dementia |
Project/Area Number |
15H01551
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
伊藤 素行 千葉大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (20377906)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | CADASIL / Notch / ゼブラフィッシュ |
Outline of Annual Research Achievements |
CADASIL(cerebral autosomal dominant arteriopathy with subcortical infarcts and leukoencephalopathy)は大脳白質の病変を伴う遺伝性脳小血管病であり、30歳代からの片頭痛発作に始まり、50歳以降で進行性の認知症を発症する。1996年、CADASILの原因遺伝子がNotch3遺伝子であることが報告された(Joutel A, et al.Nature. 1996, 383, 707-10)が、現時点で有効な治療法は見つかっていない。CADASIL型Notch3変異による認知症発症メカニズムは、ミスセンス変異による変性タンパク蓄積が発症要因であると考えられているが、詳細な病態発症機序は不明である。Notch3細胞外ドメインは、リガンドとの結合により、リガンド発現細胞へトランスエンドサイトーシスされ、分解されることが知られている。我々は、Notchリガンド発現細胞とNotch3受容体発現細胞の共培養系を用い、CADASIL型Notch3変異タンパク質の代謝を解析した。その結果、リガンド結合誘導性Notch3細胞外ドメイン分解はリソソーム依存性であり、CADASIL型Notch3変異タンパク質は野生型と比較して、分解を受けにくいことが分かった(図1A)。さらに、新たに作製したCADASIL型Notch3変異をヘテロに持つ16月齢ゼブラフィッシュ個体の脳では、野生型と比較して脳室拡大がみられ、CADASIL症状を示す可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本計画では、1) リガンド結合によるCADASIL型Notch3 変異タンパク量調節機構の解明、2) 細胞老化によるCADASIL型Notch3 変異タンパク量調節機構の解明、3) CADASIL型Notch3変異ゼブラフィッシュ病態モデルを解析し、個体レベルでの病態と老化の相関解析を行うことを目指している。本年は、1)3)概要に示した通りの結果が得られた。2)についても種々の細胞老化状態の検討を重ねている状況である
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Strategy for Future Research Activity |
1) リガンド結合によるCADASIL型Notch3 変異タンパク量調節機構の解明について、変異体の種類を増加させ、それら変異による病態解明を目指す。2)細胞老化によるCADASIL型Notch3 変異タンパク量調節機構の解明では、決定した細胞老化条件を用いてNotch3変異タンパク質の異常を検出する。さらに、3) CADASIL型Notch3変異ゼブラフィッシュ病態モデルの年齢と記憶行動、脳構造変化解析を行う。
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