2015 Fiscal Year Annual Research Report
新生児運動シミュレーションにおける新規アウトカム提案と精度向上に向けた比較研究
Publicly Offered Research
Project Area | Constructive Developmental Science; Revealing the Principles of Development from Fetal Period and Systematic Understanding of Developmental Disorders |
Project/Area Number |
15H01579
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金沢 星慶 東京大学, 情報理工学(系)研究科, 研究員 (60744993)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 運動発達 / シミュレーション / 新生児 / 乳児 / 脳波 / 筋電図 |
Outline of Annual Research Achievements |
少子高齢化問題の要因の一つとして出生数の減少が問題視されている一方で、全出生数の10%が早産児や低出生体重児等の発達障害ハイリスク児となっている。このような背景から、新生児医療における障害予防や発達促進に繋がる研究に期待が集まっている。本研究では、胎児~新生児における運動発達の機序解明に向けたシミュレータ構築を進め、臨床利用に向けて神経科学的アウトカムの提案や精度向上を目指している。
本年度の研究計画では、新生児シミュレーションにおける神経生理学的パラメータの改善のため、新生児を対象とした皮質脊髄路伝達速度計測を計画していた。そこで筋活動および脳波計測の結果から伝達速度の算出を試みた。新生児における脳波・筋電図同時計測において、データ取得自体については確立したが、伝達速度算出においては既存手法(成人で行われる単純な位相差計算)では分散が大きいことが分かった。加えて、既存シミュレータで生成される新生児運動の妥当性を検証するため、実際の新生児・乳児の自発運動計測とそのシミュレーションへの導入も進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は新生児における脳波-筋電図解析した結果、既存の解析手法の問題が明確となったが、伝達速度の算出には至っていない。その一方で、次年度計画の前半部分にあたる新生児運動の計測とその結果の既存シミュレータへの導入を行えたため、おおむね順調に進んでいると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
新生児運動時における脳波-筋電図間の伝達速度算出の改善を継続し、算出したパラメータのシミュレータへの導入とそのパラメータ変動によるシミュレーション上の運動変化について検証する。以上の操作から、神経学的な要因が新生児運動に与える影響を構成論的に解明する。
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