2016 Fiscal Year Annual Research Report
電子顕微鏡による生きたナノ微細構造の解析~昆虫の多様な機能をサブセルラー化する~
Publicly Offered Research
Project Area | Innovative Materials Engineering Based on Biological Diversity |
Project/Area Number |
15H01598
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
高久 康春 浜松医科大学, 医学部, 特任助教 (60378700)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 電界放出形走査電子顕微鏡 / 高真空 / 含水状態 / NanoSuit |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、昆虫が潜在的に備えているバリアー能を模倣・利用するという新しい視点から革新的電子顕微鏡技術(NanoSuit法)の開発に取り組んできた。既にこの方法を五界説で示される原核生物、原生生物、菌類、植物、動物に適用し、従来のものとは全く異なる画像を得ている。本研究ではこの技術を展開し、アリ・クモ・セミ・ハムシ・雪虫などの、頭部、脚先、感覚器等に注視し、多様な昆虫の表面の網羅的データ化を行ない、これまでに報告されていなかった表面構造を明らかにした。これらの成果は今後、論文および書籍として発表する。さらにNanoSuit法に、エネルギー分散型X線分析(EDS)による元素分析法を組み合わせて、これまで誰も成し得なかった生体の超微細構造を壊すことなく、生きたまま・濡れたままの状態で元素分析することにも成功した。また我々は、切除したばかりの昆虫の組織をFE-SEM内で含水状態のまま観察する為に、昆虫の体表面物質を規範とし、グリセリンなどを主成分とするSurface Shield Enhancer(SSE)の開発に成功した(国際出願番号PCT/ JP2015/052404)。切り出した組織を、何も処理することなくそのまま高真空に曝すと重量は60%ほど減少する。これに対し、新規SSE溶液で処理しNanoSuitを形成させると、減少率は10%未満となり高いバリア能を発揮することが示唆された(Takaku et al, 2017他)。このように、多様な生物試料を含水状態のままFE-SEMで観察・解析することに成功したが、本研究ではさらに、人工物のゲルをNanoSuit法で保護する技術開発を行なった。水の凝集力を高める生物の仕組みを規範とし、NanoSuit形成用の新規溶液を作成し、人工物のゲルの濡れたままの観察を可能とした(論文作成中)。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] A modified ‘NanoSuit’ preserves wet samples in high vacuum: direct observations on cells and tissues in field-emission scanning electron microscopy.2017
Author(s)
Takaku Y, Suzuki H, Kawasaki H, Ohta I, Ishii D, Hirakawa S, Tsutsui T, Matsumoto H, Takehara S, Nakane C, Sakaida K, Suzuki C, Muranaka Y, Kikuchi H, Konno H, Shimomura M, Hariyama T
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Journal Title
R Soc Open Sci
Volume: なし
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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