2015 Fiscal Year Annual Research Report
応力応答性粉末状粘着剤の創出
Publicly Offered Research
Project Area | Innovative Materials Engineering Based on Biological Diversity |
Project/Area Number |
15H01602
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤井 秀司 大阪工業大学, 工学部, 准教授 (70434785)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 粘着剤 / 微粒子材料 / 気液界面 / リキッドマーブル / 吸着 / 分散体 / 粉体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、高粘度液体である粘着性高分子の液滴表面を固体微粒子で覆ったリキッドマーブルを作製し、粘着剤の粉末化を目指す。また、リキッドマーブルの形成メカニズムの解明を行うとともに、外部応力による粉末状粘着剤の粘着力発現機構を明らかにし、材料化学分野へ研究を展開する。平成27年度は、下記2項目について検討を行った。 (1)高分子微粒子の精密合成・評価 リキッドマーブルの安定化剤として使用する疎水的表面を有する固体粒子、およびリキッドマーブル内部に導入する粘着性粒子の水分散体を合成した。具体的には、リキッドマーブルの安定化剤として、疎水的高分子であるポリジメチルシロキサンで表面がコーティングされた微粒子を合成した。また、粘着性粒子については、工業的に粘着剤のベースポリマーとして広範に利用されているポリアクリル酸ブチルをベースとするラテックスを無乳化剤乳化重合により合成した。さらに、生成粒子の粒子径・粒子径分布、形状、化学組成を評価した。 (2)リキッドマーブルの作製および形成機構の解明 粘着性高分子微粒子水分散体の液滴を、疎水的表面を有する微粒子乾燥粉末上で転がすことでリキッドマーブルの作製に成功した。固体粒子粉末上における粘着性高分子微粒子水分散体の接触角を評価したところ、90度以上の接触角を示す系において、安定なリキッドマーブルが形成され、少なくとも1日間は内部液が漏れだすことがないことを確認した。比較実験として表面疎水化処理を行っていない親水的表面を有する粉末上では、粘着性高分子微粒子水分散体は安定なリキッドマーブルを形成せず、液体は粉末に吸収されることを確認した。以上の結果から、ラテックスの粉末に対する濡れ性がリキッドマーブルの形成に重要なパラメーターであることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度の研究計画通り、リキッドマーブル安定化剤として使用する疎水的表面を有する微粒子、および粘着性高分子微粒子の精密合成・評価を行った。さらに、リキッドマーブル作製条件と、形成性および構造との相関関係を明らかにすることに成功し、計画通り目標を達成することができた。また、領域研究メンバー(企業)との共同研究成果を元に、特許出願を行い、「生物規範工学」の工業化への展開も開始している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度以降も、当該新学術領域研究のメンバーとの連携を通じて、「生物規範工学」の学理の体系化に努める。自然界で観察される微粒子の界面吸着現象をコロイド化学、高分子化学の観点から研究することで、生物規範工学の科学の確立推進に力を注ぐ。具体的には、下記2点について研究を推進する。 (1)粉末状粘着剤の作製および構造評価:粘着性高分子微粒子水分散体を内部液とするリキッドマーブルから、様々な条件(温度、湿度、圧力)において水を蒸発させることで粉末状粘着剤を作製し、蒸発速度と生成粉末状粘着剤の構造・形成性の相関関係を精査する。微小液滴は比表面積が大きいため、バルク状態の水と比べ蒸発速度が高く、その内部液の流れの向き・速度が粉末状粘着剤粒子の構造に影響を与えると予想される。粉末状粘着剤の表面および内部の化学組成および構造評価を、元素分析器、電子顕微鏡、X線光電子分光装置を用いて行う。また、粉末状粘着剤のハンドリングを考慮すると、流動性の評価は非常に重要である。そこで、粉末状粘着剤の安息角測定を行い、粉体の流動性評価を行う。 (2)粉末状粘着剤の粘着性発現メカニズムの解明:粉末状粘着剤の外部応力(圧縮応力およびせん断応力)に対する初期粘着力(タック)、粘弾性等の粘着特性変化を、タック試験機、レオメーターおよび微小圧縮試験機を利用し評価する。さらに、粘着性発現前後における粉末状粘着剤の表面、内部の化学組成および構造を、電子顕微鏡、X線光電子分光装置を用いて評価する。 得られた結果を取りまとめ、学会発表、論文投稿を行う。平成27年度、平成28年度で取得する基礎的データを有機的に繋げることで、生物規範工学に立脚した真に使えるコロイド材料開発の実現に向けた足掛かりとしたい。
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Remarks |
下記サイトで研究がハイライト http://www.rsc.org/chemistryworld/2015/10/liquid-marble-glue-pressure-sensitive-adhesive https://www.newscientist.com/article/dn28489-powdered-glue-goes-on-dry-and-sticks-when-squished/
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Research Products
(47 results)
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[Journal Article] Pressure-sensitive Adhesive Powder2016
Author(s)
S. Fujii, S. Sawada, S. Nakayama, M. Kappl, K. Ueno, K. Shitajima, H.-J. Butt, Y. Nakamura
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Journal Title
Mater. Horiz.
Volume: 3
Pages: 47-52
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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[Presentation] Pressure-Sensitive Adhesive Powder2015
Author(s)
S. Fujii, S. Sawada, S. Nakayama, M. Kappl, K. Ueno, K. Shitajima, H.-J. Butt, Y. Nakamura
Organizer
15th Conference of the International Association of Colloid and Interface Scientists
Place of Presentation
Mainz, Germany
Year and Date
2015-05-24 – 2015-05-29
Int'l Joint Research
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