2015 Fiscal Year Annual Research Report
クライオ電子顕微鏡法による個々のタンパク質複合体の構造揺らぎの検出方法の開発
Publicly Offered Research
Project Area | Novel measurement techniques for visualizing 'live' protein molecules at work |
Project/Area Number |
15H01644
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
安永 卓生 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 教授 (60251394)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 電子顕微鏡 / クライオ電子顕微鏡法 / 単粒子解析 / タンパク質構造解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
電子顕微鏡法を用いた、タンパク質及び生体構造の構造解析のための画像処理システムEos(Extensible object-oriented system)において、ベイズ推計を主としたライブラリの構築を行った。加えて、フーリエ空間での三次元再構成プログラムを作成し、フーリエ空間の補間法によるプログラム開発を進めた。これらの結果は、開発途中のものを含めて、全て、OSDN上にオープンソースとして公開し、複数人による開発を進めている。 今年度は、上述のベイズ推計のためのライブラリをコントラスト伝達関数(CTF)の推定、及び、投影角度決定のために用い、その正当性と可能性をモデルデータ及び電子顕微鏡の実際の写真について試行した。いずれも、雑音量に依存しながらも、複数回の学習の後、解を与えることが明らかとなった。下記にそれぞれの問題点について述べる。 CTFの推定に関しては、複数回の学習によりデフォーカス量の推定が可能であることがわかったのものの、MTF及び構造因子を適切に与えることがその精度に重要であることが分かった。今後、構造因子の学習のために適切な関数もしくは構造因子そのものを推定することを検討する。また、想定されていたことではあるが、雑音の問題が大きく影響を与えている。次年度は、雑音の改善を行うために、雑音の関数の推定を行うと共に、粒子画像の平均プロファイルをもとめる手法について検討する。また、適切な尤度関数を探索する。 投影角度の決定に関しては、基本的な動作は実現できたものの、推定出来た画像と推定出来ていない画像が存在していることが明らかとなった。その主な理由は、フーリエ空間の補間と尤度関数にある。前者に関しては、高速のフーリエ変換補間のアルゴリズムを開発する。後者に関しては、尤度関数を複数試行する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ベイズ推計、フーリエ空間の画像処理法に注力した部分は着実に進んでいる。 一方で、今回の申請研究の中心となっているのは、ベイジアンネットワーク等を使った多型構造の分類と画像処理方法自動化と効率化にある。構造多型に関連して、特に、2Dと3Dの行き来実施する部分に遅れがある。本年度はその点に注力する。
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Strategy for Future Research Activity |
全体として、雑音の改善を行うために、粒子画像の平均プロファイルをもとめる手法について検討する。また、適切な尤度関数を探索する。 投影角度の決定に関しては、基本的な動作は実現できたものの、推定出来た画像と推定出来ていない画像が存在していることが明らかとなった。その主な理由は、フーリエ空間の補間と尤度関数にある。前者に関しては、高速のフーリエ変換補間のアルゴリズムを開発する。後者に関しては、尤度関数を複数試行する。
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