2015 Fiscal Year Annual Research Report
慢性ドーパミン欠乏による大脳基底核の脳内身体表現変容とその制御
Publicly Offered Research
Project Area | Understanding brain plasticity on body representations to promote their adaptive functions |
Project/Area Number |
15H01663
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中村 公一 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10444457)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 視床 / 大脳基底核 / パーキンソン病 / 電気生理学 / ドーパミン / 発火頻度 / オシレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
パーキンソン病の運動障害は、ドーパミン欠乏による脳内身体表現の変容(slow dynamics)に由来する身体機能異常である。無動・寡動の最有力の原因のひとつとして注目されるのが、大脳皮質と基底核に出現する、異常亢進したβ振動(15-30 Hz)だ。異常β振動は、ニューロン活動の過剰な同期により、神経回路の情報喪失が生じ、体部位表現などの脳内身体表現の喪失を間接的に示す「負の脳内身体表現マーカー」として有用である。そこで、まず6-OHDA注入によるパーキンソン病モデルラットの基底核-視床-大脳皮質における異常β振動の分布と伝播機構を解明する。さらに、脳内身体表現の変容機構の理解には、介入的に異常β振動を制御して実際に運動機能を回復させることが重要である。
麻酔条件下で、パーキンソン病モデルラットの運動野から皮質脳波を記録しながら視床運動核および黒質網様部の単一ニューロンからニューロン活動を記録し、その発火特性が健常ラットと比較してどのような異常を示すかを調べた。自発発火活動における平均発火頻度は、視床でも黒質でも、教科書に載っている「大脳基底核の発火頻度モデル」の予測に反していた。一方、視床運動核においては、小脳入力を受けるCZと大脳基底核入力を受けるBZという二つの領域が同定されるが、パーキンソン病モデルラットのBZニューロンのみが顕著にβ振動に同期して発火しており、またLFPにおいてもβ振動はBZに限局していることが分かった。
大脳皮質運動野の皮質脳波からβ振動を記録している最中に、視床運動核へ少量のGABAを注入して視床の活動を抑制すると、皮質脳波のβ振動が消失したところから、視床のニューロン活動が大脳皮質におけるβ振動の維持に必要であることが分かった。
|
Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
|
Research Products
(13 results)
-
-
[Journal Article] Prototypic and arkypallidal neurons in the dopamine-intact external globus pallidus2015
Author(s)
Abdi A, Mallet N, Mohamed FY, Sharott A, Dodson PD, Nakamura KC, Suri S, Avery SV, Larvin JT, Garas FN, Garas SN, Vinciati F, Morin S, Bezard E, Baufreton J, Magill PJ
-
Journal Title
The Journal of Neuroscience
Volume: 35
Pages: 6667-6688
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-