2016 Fiscal Year Annual Research Report
スパースモデリングによる確率的神経細胞モデルダイナミクスの縮約
Publicly Offered Research
Project Area | Initiative for High-Dimensional Data-Driven Science through Deepening of Sparse Modeling |
Project/Area Number |
16H01527
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山野辺 貴信 北海道大学, 医学研究科, 助教 (00322800)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 縮約 / 確率的神経細胞モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はスパースモデリングにより、線形作用素を効率的に縮約する方法を構築し、確率微分方程式で記述される神経細胞モデルに存在する数理構造を抽出することを目標としている。神経細胞はいくつかのノイズ源を持つ素子である。また、神経細胞は過渡状態で動作しているとの報告もある。従って、確率的な挙動をする神経細胞の過渡状態を含むダイナミクスの解析が、その入出力特性を明らかにするのに必要である。したがって、確率的神経細胞モデルの相空間全体のダイナミクスを調べる必要がある。我々は確率微分方程式で表わされる神経細胞モデルに時間変化するパルス列入力が入るときの統計的大域挙動を記述する線形作用素を構築した。この線形作用素は有限次元の行列で近似されることが理論的に示されるが、線形作用素の単なる離散近似では近似行列の次元が高くなり、与えられたモデルの統計的大域挙動を解析するのが困難となる。そこで、スパースモデリングによる縮約を試みた。
スパースモデリングで画像を圧縮するために用いる基底ベクトルの組、すなわち、辞書には(1)あらかじめ定義された基底で決まる構造をもつ辞書(2)学習の結果得られる構造を持たない辞書(3)親となる基底を与え、そこから学習の結果、構築される辞書がある。確率的神経細胞モデルから導かれる線形作用素を用い、これらのうち、どれが線形作用素の縮約に適しているのか、実際に線形作用素の近似精度をもとに評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していたテクニックの適用は線形作用素の縮約に使えることが示されているが、さらに当初の計画にはなかった方法も試している。その意味で研究は順調に進んでいるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果を国内外の学会で研究成果を発表し、論文としてまとめ投稿する予定である。
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Research Products
(4 results)