2016 Fiscal Year Annual Research Report
津波防災分野における疎性モデリングの適用
Publicly Offered Research
Project Area | Initiative for High-Dimensional Data-Driven Science through Deepening of Sparse Modeling |
Project/Area Number |
16H01549
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
馬場 俊孝 徳島大学, 大学院理工学研究部, 教授 (90359191)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 津波予測 / 疎性モデリング / 沖合津波観測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では津波予測システムとして,沖合津波データのL1型正則化項付きの線形回帰による沿岸での津波高予測を採用した.多ケースの津波の数値シミュレーションにより生成された沖合観測点と沿岸予測地点での津波の疑似データセットに対して解析を行った.L1型正則化項の重み(λ)が0.01で得られた尾鷲での回帰モデルによる予測値と真値(疑似データの津波高さ)との残差二乗平均平方根(RMS)は0.95mであり,回帰モデルは正しく津波高を予測できていることを確認した.また,非零の係数となり予測システムに取り込まれた沖合観測点の数は全57観測点中 14観測点であった.λ=0.06の徳島県浅川での予測結果も尾鷲とほぼ同程度の精度で予測されており,RMSは0.91m,取り込まれた観測点数は12点であった.その他,浅川のλ=0.6,0.006,尾鷲のλ=0.1,0.001での解析も実施した.浅川においてはλ=0.006でλ=0.06の場合よりもRMSがやや減少しているが,尾鷲ではλ=0.001と0.01のRMSはほぼ同じである.つまり尾鷲においては14観測点以上利用しても予測精度は向上しないと解釈できる.検討したすべての場合において予測地点の最も近傍のGPS波浪計の係数が最大となった.その他選択された観測点はまばらに分布するが,λが大きくなり選択される観測点が減ってくると次第に予測地点の近傍の観測点が選ばれる傾向が確認された.本解析の結果によりある地点の津波高予測における沖合観測点の重要度は疎性モデリングによって評価できることを示した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに進捗しており特に問題はない.
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度は既存観測網のデータに対して解析を行った.今後はこれまでの本研究の成果を活かし,沖合観測網が敷設されていない海域に対して解析を実施し,最適な沖合津波観測点の配置について提案する.
|