2016 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of molecular machinery essential for extremotolerant ability in tardigrades
Publicly Offered Research
Project Area | "LIVING IN SPACE" - Integral Understanding of life-regulation mechanism from "SPACE" |
Project/Area Number |
16H01632
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
國枝 武和 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (10463879)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | クマムシ / 極限環境耐性 / RNA干渉 / 放射線耐性 / DNA保護 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、機能阻害実験による耐性遺伝子の同定とそれらの遺伝子による耐性の再構築を目的としている。本年度は、「オミクスデータに基づく耐性候補遺伝子の選抜と効率的な遺伝子発現抑制系の構築」を行った。まず、耐性の無いクマムシ種や耐性誘導型の種について、これまでに得られていたゲノム・トランスクリプトームのショートリードおよびロングリードデータを用いることで極めて精度の高い遺伝子モデルを整備した。昨年度までに高精度モデルを構築していた高い耐性を持つクマムシ種と合わせて、耐性の異なる複数のクマムシ種間での遺伝子群の対応関係を解析し、高精度な遺伝子クラスターを構築した。遺伝子クラスターごとに発現解析を行った結果、耐性の高い種で高発現し、耐性の無い種で低発現、耐性誘導型の種では乾燥処理によって発現が誘導されるという耐性と高い相関を示す遺伝子クラスター群を多数同定した。これらの中にはクマムシ固有な遺伝子ファミリーが多く含まれており耐性に関わる有力な候補と考えられる。また、これまでにクマムシの成体に2本鎖RNAを顕微注入することで遺伝子発現を抑制する系を構築済みであったが、labor intensive な実験系のため多数の遺伝子について機能阻害実験を行うことは難しかった。より簡便に遺伝子の発現阻害を誘起する系を検討した結果、2本鎖RNAを産生するよう遺伝子改変した餌を摂取させることで標的遺伝子の発現量が顕著に低下することを見出した。同系を用いることで、標的遺伝子の発現阻害個体を多数、容易に準備することが可能になり、効率的に遺伝子発現阻害実験を行うことが可能になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高精度な遺伝子モデルおよび構築した種間クラスターをもとに、耐性能力と極めて高い相関を示す遺伝子群を多数同定することに成功し、今後の解析の基盤となる有力な遺伝子群を明らかにできた。さらに、機能阻害実験による耐性遺伝子の同定には至っていないものの、今後の同定を大きく加速させる効率的な遺伝子発現阻害系を構築できたことから、順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、新たに構築した経口RNAi法を用いることで、当初想定よりも大規模に遺伝子の発現抑制を行い、クマムシの耐性に必須な遺伝子群の同定を効率的に進める予定である。
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Research Products
(14 results)
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[Journal Article] Extremotolerant tardigrade genome and improved radiotolerance of human cultured cells by tardigrade-unique protein.2016
Author(s)
Hashimoto T, Horikawa DD, Saito Y, Kuwahara H, Kozuka-Hata H, Shin-I T, Minakuchi Y, Ohishi K, Motoyama A, Aizu T, Enomoto A, Kondo K, Tanaka S, Hara Y, Koshikawa S, Sagara H, Miura T, Yokobori S, Miyagawa K, Suzuki Y, Kubo T, Oyama M, Kohara Y, Fujiyama A, Arakawa K, Katayama T, Toyoda A and Kunieda T
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Journal Title
Nature Communications
Volume: 7
Pages: 12808
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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[Presentation] Correct Decoding of Genomic Strategy in Extremotolerant Tardigrade, Ramazzottius varieornatus2016
Author(s)
Kunieda T, Hashimoto T, Horikawa DD, Kuwahara H, Kondo K, Tanaka S, Saigo T, Kubo T, Fujiyama A, Arakawa K, Katayama T, Toyoda A
Organizer
11th International Congress on Extremophiles
Place of Presentation
京都大学(京都府左京区)
Year and Date
2016-09-12 – 2016-09-16
Int'l Joint Research
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