2017 Fiscal Year Annual Research Report
Versatile pai-Figuration by Tandem Hetero-Friedel-Crafts Reactions
Publicly Offered Research
Project Area | pi-System Figuration: Control of Electron and Structural Dynamism for Innovative Functions |
Project/Area Number |
17H05164
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
畠山 琢次 関西学院大学, 理工学部, 准教授 (90432319)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 有機化学 / 合成化学 / 有機導体 / ナノ材料 / 分子認識 |
Outline of Annual Research Achievements |
タンデムヘテロFriedel-Crafts反応の反応効率の向上と汎用性の確立を目的として検討を行い,出発原料,ホウ素化剤,反応条件を精査することで,位置選択的かつ効率的な多重C-Hホウ素化反応の開発に成功した。適した条件を選ぶことで,トリアリールアミン類に対して,2-4個のホウ素原子を高選択的に導入することが可能であり,本手法を応用することで様々な拡張π共役分子の短段階合成が可能となった。合成した含BN拡張π共役分子は,色純度の高い青色蛍光を示し,一重項励起エネルギーと三重項励起エネルギーの差が小さいことから,熱活性化遅延蛍光(TADF)材料として期待できる。実際に,含BN拡張π共役分子のうち1つを発光材料として用いて有機EL素子を作成したところ,18%を超える外部量子効率とディスプレイに適した青色発光スペクトル(CIE(x,y) = (0.13, 0.10))を示すことが明らかとなった。また,タンデムボラFriedel-Crafts反応で合成した含BNジベンソクリセンをホスト材料として,プラチナ錯体PtN7Nを発光材料として用いることで,発光効率(98.8 cd/A)と色純度に優れた(CIE(x,y) = (0.18, 0.74))逆構造緑色有機EL素子の開発に成功した。更に,タンデムホスファFriedel-Crafts反応により合成した含リンπ共役分子が,優れた正孔・励起子阻止材料となることを見出した。本材料を用いることで,緑色リン光材料を用いた有機EL素子の外部量子効率と素子寿命が大きく向上することがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
タンデムボラFriedel-Crafts反応における,出発原料,ホウ素化剤,反応条件を精査することで,位置選択的かつ効率的な多重C-Hホウ素化反応の開発に成功した。同時に,タンデムホスファFriedel-Crafts反応の反応効率の向上も達成し,複数のホウ素原子とリン原子を一挙に導入することで,自在性の高いπ造形が可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
開発した位置選択的かつ効率的な多重C-Hホウ素化反応を用いて,新たな構造と優れた機能を有する拡張π共役分子の合成を行う。特に螺旋型やお椀型と行った非平面のπ共役系を有する分子の合成を中心に行い,動的機能の発現を目指す。
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