2018 Fiscal Year Annual Research Report
Creation of Autonomous Macroscopic Motion using Asymmetric Transition of Organometallic Catalyst with Consumption of Chiral Chemical Fuels
Publicly Offered Research
Project Area | Coordination Asymmetry: Design of Asymmetric Coordination Sphere and Anisotropic Assembly for the Creation of Functional Molecules |
Project/Area Number |
17H05346
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
景山 義之 北海道大学, 理学研究院, 助教 (90447326)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 触媒 / 構造変化 / 微視的可逆性の破れ / 液晶 / 自律運動 / キラリティ / 分子集団運動 / 時空間アシンメトリー |
Outline of Annual Research Achievements |
生物と無生物の違いは何か。どちらも数多くの分子が集積した物体である。一方、生物は分子レベルの構造変化が目で見える大きさの継続運動を創り出しているのに対し、無生物は分子レベルで構造変化が起こっていても目に見える大きさの継続運動を発現しない。 分子レベルの構造変化により継続運動を人工的に実現することで、生命特有の機能を人工的に創出することが、研究代表者の目標である。その一環として、研究代表者は、2016年に、分子レベルの光異性化が引き起こす可視的な継続運動を報告した。この研究では、時間遅れで働く分子間協同効果が鍵となっていることを、本年、オープンアクセスのMinireviewにおいて説明した(DOI: 10.1002/cptc.201900013)。 先行研究の「光異性化」に代わり、「熱的な化学反応」による分子レベルの構造変化を利用して、物体の継続的な運動を実現することが、本研究課題である。数多くの合成分子機械研究では、機械的な仕事を自己継続的に実現することはできていない。実現するためには「時空間のアシンメトリー」を働かせる必要がある。 本研究では、有機金属触媒を分子レベルで継続運動する分子機械とみなし、そのナノレベルの運動でマクロスコピックな運動を創出することを目指した。汎用的な液晶分子にキラルな分子と分子性パラジウム触媒を少量ずつ混合して形成したコレステリック液晶を反応場に、鈴木宮浦カップリング反応を行った。すると、液晶表面に載せておいた粒径数マイクロメートルの微粒子が継続的に運動することを見いだした。反応基質を加えない場合は、微粒子は些細な運動しかみせないことから、化学反応が微粒子の継続運動を誘起していると考えられる。 ナノスケールの自律的ロボット、自律駆動材料の開発が期待されている今、自己継続的に運動を生み出すための方法論を創出した点に、本成果の科学技術的・社会的重要性がある。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)