2018 Fiscal Year Annual Research Report
南極コケ坊主におけるウイルス叢の解明とウイルス化石の探索への応用
Publicly Offered Research
Project Area | Neo-virology: the raison d'etre of viruses |
Project/Area Number |
17H05821
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
堀江 真行 京都大学, 白眉センター, 特定准教授 (20725981)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | コケ坊主 / 南極 / ウイルス叢 / 内在性ウイルス様配列 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は (1) 南極コケ坊主および (2) 国内の淡水湖におけるウイルス叢の解析、さらに (3) 得られたウイルス配列を用いた内在性ウイルス様配列の検出を行った。 (1) 昨年度に加え、新たに1つのコケ坊主よりDNAを抽出し、ショットガンメタゲノムによるウイルス探索を行った。その結果、少なくとも40の新規のDNAウイルス様配列を検出した。一方コケ坊主からのRNAの核酸抽出では十分な核酸量が得られず、RNAウイルスの探索を行うことはできなかった。 (2) 国内の淡水湖におけるRNAウイルスの探索も行った。ウイルスに特徴的な2本鎖RNAを特異的に検出するFLDS法を用いて、国内淡水湖のRNAウイルスの探索を行ったところ、少なくとも9つの新規のRNAウイルス様配列を検出した。検出されたウイルスはビルナウイルスなど、すべて二本鎖RNAウイルスであった。 (3)これまでに得られたウイルスの配列および、近年に他の研究グループから報告された新規のウイルスの配列を用いて、真核生物ゲノムに存在するウイルス様配列(内在性ウイルス様配列:EVE)の探索を行った。その結果、様々な生物のゲノムからこれまでに報告されていない多数の新規のEVEを発見した。例えばヒトゲノムにおけるボルナウイルス様EVEだけでも既知のEVEの3倍の内在性ボルナウイルス様配列を検出した。 これらの結果から「新規ウイルスの発見は新規内在性ウイルス様配列の発見につながる」という本研究の仮説を実証することができた。本研究によって得られた知見は現代および過去のウイルスの多様性の理解に有用である。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(20 results)