2018 Fiscal Year Annual Research Report
Designing Virtual Spaces with Agency
Publicly Offered Research
Project Area | Cognitive Interaction Design: A Model-Based Understanding of Communication and its Application to Artifact Design |
Project/Area Number |
17H05855
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
池上 高志 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (10211715)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 社会的実在感 / タイプトレース / VR / virtual communication / 移送エントロピー |
Outline of Annual Research Achievements |
相互作用において、相手にAgency を認める場合とそうでない場合とでは、そのコミュニケーションの仕方が大いに異なる。逆に相手が実物の人や動物などの生命システムでなくても、Agencyを認めることで自然なプロトコルが育ち、会話におけるリアリティを高めることができる。ここでいうAgencyとは、自律的な行為主体(autonomy)のことであり、生命的な存在感(presence)があり、 こちらとの模倣や競争などの相互作用(interactivity)を持つものとする。 そこで探求するのはAgency を感じるバーチャルコミュニケーションシステムを開発することで、創造的で発展する相互作用(コミュニケーション)を生成することにある。本課題では、そのための理論とデザインと計測方法を提案し、そのプロトタイプを制作し、実証実験することを目指すことになった。 われわれは、このリアリティの本質は、情報の豊かさと、同時に出来事の並列性と非同期性にあると考えた。そこでオンラインチャットのインタラクションのすべてのキーストロークを記録し、タイピングアクションを再演するTypeTraceと呼ばれるソフトウェアを開発した。その結果、チャット中のタイピングプロセスを提示することで情報の豊かさを増やしても、他者の存在の認知は有意には増加しないことがわかった。また、チャットの情報同時実行性を高めると、インタラクタント間の伝達エントロピーが高くなり、社会的存在感、感情的高まり、親密さが増すことがわかった。この結果は、単なる情報の豊かさの増大が必ずしもリアリティの増大につながるわけではなく、バーチャルコミュニケーションにおける生き生きとした会話を育むためには、同時並行コミュニケーションも重要な要素であることを示すことができた。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)