2017 Fiscal Year Annual Research Report
内的要因および外的要因がツキノワグマのナビゲーションに及ぼす影響評価
Publicly Offered Research
Project Area | Systems Science of Bio-navigation |
Project/Area Number |
17H05971
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
小池 伸介 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (40514865)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ツキノワグマ / 行動 / 内的要因 / 外的要因 / 食物資源 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに取得した89頭のクマの行動情報を解析することで、どのような要因が個体の行動パターンの決定に影響を与えるのかの検証を行った。具体的には性や齢の違いや、食物資源量の多寡に応じて、クマの行動パターンの変化を検証した。その結果、当初の計画で示した最尤推定法による移動パターンのモデル化の結果、性、齢、食物資源量の違いが大きな要因となり、クマの行動パターンを決定していることが明らかになった。 また、実際のクマにカメラ付GPS首輪を装着することで、ツキノワグマの食物探索行動や繁殖行動と行動パターンとの関係の検証を試みた。今年度は、まずは既存のデータの解析を行ったところ、行動パターンに影響するのは繁殖行動および食物探索行動であることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1)行動パターンの解析では、計画通りの解析により、当初の仮説にあった結果が得られるとともに、学術論文への投稿を終えることが出来た。 2)手法1の行動パターンの解析への深層学習の応用は当初の計画にはなかった項目にもかかわらず、解析も順調に進んでいる。 3)手法2のカメラ付GPS首輪の装着では、既存のデータの解析段階でも十分に今後の解析の方向性が見出されるとともに、課題も抽出できた。 4)手法2では、抽出された課題をもとに当初の予定にはなかった、カメラ付GPS首輪の試作を行うことが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
・手法1では、今年度からはじめた深層学習や新たなモデル解析を用いた行動軌跡の抽出技術を応用し、新たな解析技術の検討を行う。 ・手法2では、新たにカメラ付GPS首輪をクマに装着することで、サンプル数を増やし、当初の仮説の検証を行う予定である。 ・手法2では、新たに試作したカメラ付GPS首輪の動物園での装着実験を実施するとともに、そこでの課題を反映させた機材を野生のクマに装着を目指す。 ・上記の各活動で得られたデータの学会発表および論文投稿を積極的に行う。
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Research Products
(7 results)