2017 Fiscal Year Annual Research Report
本番に強くなる:状況的意志力を向上させる栄養・認知・運動型調整法の提案と実証
Publicly Offered Research
Project Area | Creation and Promotion of the Will-Dynamics |
Project/Area Number |
17H06046
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
野内 類 東北大学, スマート・エイジング学際重点研究センター, 准教授 (50569580)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 生活介入 / 即時効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
ウィルダイナミクスを特性的、状況的な要因に区分し、状況によって変化しやすい状況的ウィルダイナミクスを向上させる生活介入方法を調べることが目的であった。今年度は、健康な若年者を対象に脳トレゲームを用いた認知介入、自伝的記憶を想起させて感情を操作させる認知介入、サーキット運動を用いた運動介入を実施した。 音読と計算を用いた脳トレゲームを3分間実施した場合に、パズルゲームを実施した群と比べると、作業記憶パフォーマンスが向上することがわかった。特に、脳トレゲーム時の成績が高い場合に、より促進効果がある傾向にあった。 また、自伝的記憶によってプライド感情を喚起された場合には、その他の感情を喚起させた場合よりも、処理速度や抑制能力の成績が向上することがわかった。一方で、同じポジティブ感情を喚起させた場合には、認知機能の促進効果が得られないことがわかった。これらの結果から、より自己評価を高めるような感情が、認知機能を促進させている可能性があることが示唆された。 運動介入については、単純な有酸素運動、筋力運動、それらを組み合わせたサーキットトレーニングの3つを候補として選定した。先行研究に対して、システマティックレビューをしたところ、サーキットトレーニングがもっとも効果があることがわかった。さらに、実際に3つの運動を実施し予備的なデータを集めたところ、サーキット運動がもっとも効果があることが確認できた。これらの結果を受けて、本実験で用いる介入プロトコールを確定させた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた通りに、認知介入、運動介入の即時効果について実施することができた。特に、認知介入の即時効果については、短時間の脳トレ介入であっても作業記憶パフォーマンスを向上させることがわかった。さらに、感情介入によって、感情を操作した研究においては、プライド感情を喚起させた場合に、処理速度と実行機能が向上することが明らかになった。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、認知介入と運動介入の即時効果を調べる実験を実施する。その研究に加えて、フラボノイドなどを用いた栄養介入を実施し、その即時効果を調べる予定である。その後、認知・運動・栄養介入を組み合わせた生活介入の即時効果を調べる予定である。
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