2018 Fiscal Year Annual Research Report
Microbial regulation of hormone secretion from enteroendocrine
Publicly Offered Research
Project Area | Frontier research of chemical communications |
Project/Area Number |
18H04607
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坪井 貴司 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (80415231)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 消化管ホルモン / イメージング / 小腸 |
Outline of Annual Research Achievements |
認知症や自閉症との関連が指摘されている腸内細菌代謝産物を100種類にまで絞り込んだ。この絞り込んだ腸内細菌代謝産物のうち、容易に入手可能なもの30種類について、まず生細胞イメージングスクリーニングとELISAスクリーニングによって消化管ホルモン、特にグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)の分泌を引き起こす腸内細菌代謝産物の同定を試みた。 本年度は、絞り込んだ腸内細菌代謝産物をGLP-1を分泌する小腸内分泌L細胞株であるGLUTag細胞に投与し、細胞内カルシウム濃度変化への影響を生細胞イメージングスクリーニングによって解析した。スクリーニングの結果、エクオール、グルタチオン、キヌレン酸といった腸内細菌代謝産物の投与によって細胞内カルシウム濃度の上昇が観察された。一方、4-ヒドロキシフェニル酢酸の投与では、逆に細胞内カルシウム濃度の低下が観察された。また一部の腸内細菌代謝産物では、低濃度の投与では細胞内カルシウム濃度上昇を引き起こすが、高濃度の投与では逆に細胞内カルシウム濃度の低下を引き起こす反応が観察された。 次に、細胞内カルシウム濃度上昇が観察されたエクオールについて、GLUTag細胞に投与した際のGLP-1分泌量への影響をELISAを用いて解析した。解析の結果、エクオールの投与によりGLP-1分泌が抑制されることが分かった。細胞表面のアクチンネットワークを蛍光免疫染色により解析したところ、エクオールの投与によりアクチンネットワークが密になっていることが分かった。これらのことから、細胞内カルシウム濃度上昇が必ずしもGLP-1分泌を引き起こすわけではないことが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞内カルシウム濃度上昇または低下を引き起こす腸内代謝産物の同定に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
GLP-1分泌能への影響について解析の済んでいない腸内細菌代謝産物は、引き続き生細胞イメージング、ELISAを用いたGLP-1分泌量の測定を行う。
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Research Products
(4 results)