2018 Fiscal Year Annual Research Report
過完備独立基底の内因性特徴に基いた分光顕微鏡画像のデータマイニング
Publicly Offered Research
Project Area | Resonance Biology for Innovative Bioimaging |
Project/Area Number |
18H04729
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長島 優 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (20635586)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 独立成分分析 / ラマン分光法 |
Outline of Annual Research Achievements |
顕微鏡画像から画像特徴を抽出する試みは数多い。しかし、ノイズのある条件下で、観測者の主観に依らず、測定対象についての事前の知識なしに、元信号の定量性を保ったまま、特定の画像特徴に相関する信号成分を取り出す方法は、従来限られていた。生物の視覚情報処理の数学的モデルとして提唱されたスパースコーディングは広義の独立成分分析の一種であり、過完備な独立基底の推定に用いられる。我々はこれを用いた新規の画像解析法を考案した。 顕微鏡画像を画素毎に波長の情報を持つ3次元配列(x, y, λ)と捉えて、スパースコーディングを用いて線形過完備な独立基底の推定を行った。一般に、このとき得られる独立基底は3次元の配列となる。次に、この3次元の独立基底をその特徴(色・テクスチャー・形など)に基いて分類・弁別し、特定の特徴に相関のある独立基底のみを抽出した。抽出した独立基底を、特徴群毎に加算して元画像のdimensionに再構成することで、もともとの顕微鏡画像の信号の線形性を保ったまま、特定の画像特徴に相関する信号成分のみを抽出することができた。 polystyrene(PS), polymethyl methacrylate(PMMA), polyurethane(PU)ビーズをプレパラート上で混合し、自発ラマン分光顕微鏡でイメージングした。二次元のラマン分光画像は、空間的な一ピクセル毎に一つの波長方向のスペクトルを持つ3次元配列のデータ構造を持つ。このデータを非負スパースコーディングを用いて8個の独立基底に分解した。求めた8個の独立基底を、in vitroで測定しておいたPS, PMMA, PUの三種類の物質のラマンスペクトルと比較し、最も相関の高い独立基底をそれぞれ一つずつ選択した。選択された独立基底単独の空間分布を、元画像の二次元座標上に再構成してみると、ビーズの形状・空間分布を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通りにプログラムの作成が完了し、ビーズを測定した分光画像を用いた開発解析手法の概念実証ができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
実際の生体組織を測定したラマン分光画像を用いて、開発解析手法の性能を確認する。
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Research Products
(2 results)