2018 Fiscal Year Annual Research Report
Sensing system of microgravity in muscle mitochondria
Publicly Offered Research
Project Area | "LIVING IN SPACE" - Integral Understanding of life-regulation mechanism from "SPACE" |
Project/Area Number |
18H04981
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
二川 健 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (20263824)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 無重力感知 / MAM / ミトコンドリア機能異常 / 酸化ストレス / カルシウムシグナル / 筋萎縮 |
Outline of Annual Research Achievements |
前回の公募研究で無重力ストレスは、酸化ストレスを介してTCAサイクルの律速酵素であるアコニターゼを不活化し、代謝リプログラミングを誘導することを発見した。本研究では、この酸化ストレスの起源がオルガネラ相互作用の分子装置MAM (Mitochondria-associated ER membranes)であることを実証し、無重力の感知機構(無重力センサー)の全貌を解明する。 2018年度の解析で、以下のことを明らかにした。1)模擬微小重力環境では、MAMを構成する蛋白質の一つであるMitofusin2 (MFN2)量が減少し、MAM構造が破綻した。2)その結果、ミトコンドリアの分裂と酸化ストレスの上昇が誘導された。3)MFN2をノックダウンした筋芽細胞を模擬微小重力環境に供すると、細胞内カルシウム濃度が上昇した。MFN2をノックダウンした結果、MAM構造が壊れやすくなり、小胞体から細胞質へカルシウムがリークしていると考えられた。4)MFN2をノックダウンした筋管細胞は、最大酸素消費量が低下しており、好気的解糖系から嫌気的解糖系へ代謝変化していることがわかった。5)さらに、MFN2ノックダウンは、遅筋タイプのミオシン重鎖の分解を促進した。4)と5)の結果から、MAM構造の破綻は、遅筋の速筋への変化を促進していることが示唆された。6)筋特異的MFN2ノックアウトマウスの作製に成功した。7)宇宙実験を実施し、実際の無重力環境がミトコンドリアの分裂を誘導する動画を世界で始めて撮影することができた。 以上のことより、in vitroの実験系においては、筋細胞のMAM構造が、無重力という機械的ストレス感知において重要な働きをしていることと考えられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
in vitroの実験系では、人工的にMFN2を欠失することにより、その下流のシグナル(MAM構造の破綻、カルシウムリーク、酸化ストレスの増大、ミトコンドリア機能異常、筋萎縮)を適確に再現できている。おそらく、MAM構造が無重力ストレスにおいて重要な働きをしているという我々の仮説は正しいのではないか自負している。しかしながら、in vivoでもこのような事象が起こっているのかや、カルシウムシグナルの異常と酸化ストレスのどちらが上流で起こっている事象なのか(カルシウムシグナルが酸化ストレスを誘導しているのか。逆に、酸化ストレスがカルシウムシグナルの異常を起こしているのか。)など、細かなメカニズムはまだ解明できていない。2年目で、以上のことを明らかにしたい。
|
Strategy for Future Research Activity |
1)無重力センサーの同定 某精密機械メーカーと共同で、カルシウムシグナルと酸化ストレスを同時計測できるシステムを開発中である。その機器を用いて、無重力ストレスは、カルシウムシグナルの異常と酸化ストレスのどちらを優先的に誘導しているのかを決定する。その結果により、無重力センサーは、カルシウムチャネル(またはトランスポーター)なのか、NOX/NADPHオキシダーゼ・システムなのかを明らかにする。 2)in vivoでの実証 骨格筋特異的MFN2ノックアウトマウスを作製したので、それらを用いて、in vivoでもMAM構造の破綻が無重力による筋萎縮を誘導するのかを実証する予定である。
|
Research Products
(15 results)
-
-
[Journal Article] Reactive oxygen species up-regulate expression of muscle atrophy-associated ubiquitin ligase Cbl-b in rat L6 skeletal muscle cells2018
Author(s)
Uchida T, Sakashita Y, Kitahata K, Yamashita Y, Tomida C, Kimori Y, Komatsu A, Hirasaka K, Ohno A, Nakao R, Higashitani A, Higashibata A, Ishioka N, Shimazu T, Kobayashi T, Okumura Y, Choi I, Oarada M, Mills EM, Teshima-Kondo S, Takeda S, Tanaka E, Tanaka K, Sokabe M, Nikawa T
-
Journal Title
Am J Physiol Cell Physiol
Volume: 314
Pages: C721-C731
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
-
-
[Journal Article] Morin suppresses cachexia-induced muscle wasting by binding to ribosomal protein S10 in carcinoma cells.2018
Author(s)
Tomohiro Yoshimura, Kanae Saitoh, Luchuanyang Sun, Yao Wang, Shigeto Taniyama, Kenichi Yamaguchi, Takayuki Uchida, Tsutomu Ohkubo, Atsushi Higashitani, Takeshi Nikawa, Katsuyasu Tachibana, Katsuya Hirasaka
-
Journal Title
Biochemical and biophysical research communications
Volume: 506
Pages: 773-779
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-