2019 Fiscal Year Annual Research Report
Synthesis of new mix-anion compounds by rapid self-combustion reactions
Publicly Offered Research
Project Area | Synthesis of Mixed Anion Compounds toward Novel Functionalities |
Project/Area Number |
19H04682
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
三浦 章 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (10603201)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 酸窒化物 / メタセシス反応 / 燃焼反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
酸窒化物や酸水素化物などの複合アニオン化合物は、高温材料や絶縁体膜だけではなく、近年は燃料電池用の触媒などとしても着目されている。しかし、それらの多くは熱力学的な準安定相が多く、これまでの大気中での固相反応といった手法を用いることで合成することは困難である。熱力学的な準安定相を非大気雰囲気で合成する手法及び設計指針が求められている。 そこで本研究では、塩化物や酸化物などとナトリウムアミドを反応させることによるメタセシス反応を用いた準安定な化合物の合成とその合成反応設計指針の構築を目指した。さまざまな塩化物とナトリウムアミドを混合し、室温での混合もしくは加熱することで燃焼反応の反応開始温度を調査した。反応エンタルピーが大きい反応では、室温の混合で反応した一方で、反応エンタルピーが小さい反応においては昇温中で反応した。反応後の生成物は、窒化物および塩化ナトリウムの混合物であった。これらの結果から、反応エンタルピーが大きい反応ほど反応開始温度が小さく、反応の活性化エネルギーも小さいことが示唆された。 また、熱力学的に不安定な準安定相である複合アニオン化合物の合成指針を得るために、メタセシス反応を用いた合成反応における偽三元系の相図を提案した。これまでの第一原理計算を用いたエネルギー図では、元素からの生成エネルギーを用いていたが、本研究では出発試料である塩化物などからの生成エネルギーを用いることで、合成反応が設計できることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ナトリウムアミドと塩化物の反応性についての詳細な調査と、熱力学的な設計指針が得られたため順調に進行している。本年度は、この指針を活かした新規複合アニオン化合物の創出に挑戦する。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度には、熱力学的に準安定もしくは競合する結晶相が存在する窒化物や硫化物の合成を行った。メタセシス反応における熱力学的相図の作成は、様々な複合アニオン化合物の合成に適応できる手法である。本年度は、希土類元素や遷移金属の塩化物、水酸化物などを出発試料にし、さまざまな複合アニオン化合物の合成に挑戦する。
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Research Products
(9 results)