2020 Fiscal Year Annual Research Report
光異性化分子の集合形態変化を用いた発動分子システム
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Engine: Design of Autonomous Functions through Energy Conversion |
Project/Area Number |
19H05391
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松田 建児 京都大学, 工学研究科, 教授 (80262145)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | フォトクロミズム / 下限臨界溶液温度 / 超分子構造体 / 枯渇力 / 発動分子システム |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、疎水基として2つのブトキシカルボニル鎖と親水基として2つのトリ(エチレングリコール)鎖を有する四角板状の両親媒性フォトクロミックジアリールエテンを合成し、水中で光誘起形態変化を調べた。開環体と閉環体の水中懸濁液は、それぞれ30℃と35℃で下限臨界溶液温度(LCST)転移を示し、開環体/閉環体混合物は室温より低い温度でLCSTを示した。透過型電子顕微鏡観察により、高温の脱水和相では開環体も閉環体も共連続コアセルベートであるのに対して、低温の水和相では開環体では折り畳みロッド、閉環体ではシートと形状が異なっていることが明らかとなった。この違いが混合物でLCST転移温度が低下する理由であると考えられる。純粋な閉環体を水に分散させた場合、20℃で緑色光を照射すると、リエントラントな光誘起形態変化が光学顕微鏡で観察された。また、純粋な閉環体の会合体の集合様式は、冷却温度によって異なることが明らかとなった。非会合のスペクトルを示した50℃の水分散液は、15℃に急冷すると、J会合体が速度論的生成物として得られ、5℃に急冷すると、H会合体が速度論的生成物として得られた。どちらの場合も、熱力学的生成物は少量のJ会合体を含むH会合体であった。速度論的生成物を加熱すると昇温過程で熱力学的生成物である少量のJ会合体を含むH会合体に一旦変化し、非会合のスペクトルに最終的に変化した。これらの挙動は、温度に依存するポテンシャルエネルギー面によって合理的に説明された。
|
Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(4 results)