2009 Fiscal Year Annual Research Report
タスクと実行環境の高精度モデルに基づくスケーラブルなタスクスケジューリング技術
Publicly Offered Research
Project Area | Cyber Infrastructure for the Information-explosion Era |
Project/Area Number |
21013025
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
大野 和彦 Mie University, 大学院・工学研究科, 講師 (20303703)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 浩 京都大学, 学術情報メディアセンター, 教授 (10243057)
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Keywords | 並列処理 / スケジューリング / 性能モデリング / 分散処理 / ワークフロー / 広域分散 |
Research Abstract |
本課題の目的は、ITシステム基盤を支える実用技術の一環として超大規模計算タスク群のスケジューリング手法を開発することであり、高精度でスケーラブルかつ他の基盤技術との協調を目指している。従来の研究成果であるタスクの実行性能モデリング技術と、それを利用したスケジューリング手法をベースとし、これを発展させる形で研究を行っている。 本年度は大規模なワークフローを高速にスケジューリングするための適応型手法を提案した。本手法は実際のワークフロー内に相互依存のないタスク群が頻出することに着目し、依存のある部分とない部分で異なるアルコリズムに切り替えることで、スケジューリングの計算量を大幅に削減する。既提案の階層型スケジューリング手法に本手法を組み込んでシミュレーション評価をを行った結果、従来の単一アルゴリズムを用いる方式に対し、3%程度のスケジューリング長悪化と引き換えにスケジューリング時間が約1/500に削減され、スケーラビリティ確保のための重要な手法が実現できた。 また、大規模ワークフローを縮約し効率的に表現する実装手法を開発した。本手法によりワークフローグラフの構築・操作に必要なメモリ量を大幅に抑えることができるため、我々が目標とする他の基盤技術との協調動作において重要な技術と言える。 さらに、性能モデルの高性能計算への応用として、大規模連立一次方程式の反復求解など用いられる疎行列ベクトル積のための通信最適化の研究を行った。T2Kオープンスパコンでの評価の結果、提案手法によるデータ転送は従来手法に対し20%-50%の性能優位性が得られた。
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Research Products
(4 results)