2009 Fiscal Year Annual Research Report
アンドロイドを用いた社会関係のモデル化と利用
Publicly Offered Research
Project Area | Cyber Infrastructure for the Information-explosion Era |
Project/Area Number |
21013033
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
石黒 浩 Osaka University, 基礎工学研究科, 教授 (10232282)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 泰 大阪大学, 工学研究科, 助教 (70403334)
岩井 儀雄 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (70294163)
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Keywords | アンドロイド / 遠隔操作 / 存在感 / 認知科学 / 脳計測 |
Research Abstract |
アンドロイドは人間に酷似した見た目,すなわち擬人化しやすい姿を持つため,人間との社会的な関係を構築可能な親和的なメディアとなり得る可能性を持つ.そこで,本研究ではロボットの振る舞いを通してロボットが人間との社会的コミュニケーションを成立させるための非言語コミュニケーション技術を確立するとともに,病院や日常生活などの現実場面において効果を実装することを目指す.本年度は,対話相手としての自然な動作の生成法の開発と,人間の三者間関係の安定性についてのハイダーのバランス理論に基づく振る舞いが社会的関係に与える影響の調査を行った.まず,対話相手としての自然な動作生成には対話相手の動作を正確に認識する必要があるため,画像処理による行動認識法の開発に取り組み,ハッシュ関数を利用した高速で認識率の高い行動認識法を開発した.また,対話中のアンドロイドの自然な視線の制御として,対話中の自然な視線方向の遷移メカニズムを開発し,言葉を発しない陪席者としてのアンドロイドが視線の向きを適切に遷移させることにより,他の会話参加者にアンドロイドがより深く会話を理解しているように感じさせることが可能であることを示した.さらに,三者間の人間関係が構築される課程を調べるために,アンドロイドを含む三者間のアイコンタクトを適切にコントロールすることにより,三者間の社会的関係,他者に対する印象を変化させることができることを示した.ロボットの親和的な振る舞いを生成し,人間との適切な社会的関係を構築するためには非言語コミュニケーションが重要な役割を果たすと考えられるが,このような実験によって得られた知見に基づき,より親和的に振る舞うことができる情報メディアとしてのロボットの開発は今後の課題である.
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Research Products
(37 results)