2009 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ狭窄構造薄膜のコヒーレントマイクロ波発振に関する研究
Publicly Offered Research
Project Area | Creation and control of spin current |
Project/Area Number |
21019003
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
土井 正晶 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 准教授 (10237167)
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Keywords | ナノ狭窄構造 / スピン伝導 / スピントランスファートルク / スピンダイナミクス / マイクロ波発振 / ナノ狭窄磁壁 / ナノオキサイド層 / MR変化率 |
Research Abstract |
これまでに強磁性ナノコンタクト磁気抵抗(NCMR)素子についてスピントルクによるマイクロ波発振を測定した結果を報告した。その結果、フリー層の磁化方向がリファレンス層の磁化方向と完全に反平行であるときには発振が観測しにくいといった本系独特の特徴ある実験結果が得られた。そこで本年度はフリー層とリファレンス層の磁化方向を180゜から変化させることを目的に、膜面内において印加磁場の方向を変化させてNCMR素子のマイクロ波発振特性の測定を行った。測定試料の膜構成はunderlayer/PtMn 15nm/CoFe 3.3nm/Ru 0.9nm/Fe_<50>Co_<50> 2.5nm/Al-NOL/Fe_<50>Co_<50> 2.5nm/Cappinglayerであり、素子サイズは0.3×0.3μm^2~0.6×0.6μm^2である。MR比は4~9%、面積抵抗(RA)は0.6~1.4Ωμm^2である。外部磁場は膜面水平に印加し、印加方向を膜面内において回転させ、フリー層の磁化容易軸に対して所定の角度方向に磁場を印加した状態でマイクロ波を測定した。印加磁場方向はフリー層の磁化がリファレンス磁化と反平行になる方向を+方向とし、反平行を0゜と定義した。電流方向は素子のフリー層からリファレンス層へ流れる方向を+方向とした。電流方向+において発振強度は20゜のとき最大を示した。最大で10倍以上の発振強度となり、半値幅は極小を示した。 また、発振周波数は印加磁場の角度が大きくなるほど周波数が減少する傾向が見られた。この結果は松下、今村らによる狭窄磁壁に関するスピントルク発振のシミュレーションの結果と定性的に一致しており、狭窄された磁壁に起因した発振であることが示唆された。
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Research Products
(13 results)