2010 Fiscal Year Annual Research Report
フェムト秒分光による界面電子移動反応におけるプラズモン増強効果の機構解明
Publicly Offered Research
Project Area | Strong Photons-Molecules Coupling Fields for Chemical Reactions |
Project/Area Number |
21020041
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
古部 昭広 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測フロンティア研究部門, 主任研究員 (30357933)
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Keywords | 超高速分光 / 界面 / プラズモン / 過渡吸収 / フェムト秒レーザー / 電子移動 / 光電変換 / ダイナミクス |
Research Abstract |
金属ナノ構造に生成する局在プラズモンは、金属近接場に大きな電場を作り出し、効率的な反応、新たな反応を引き起こすことが理解されつつあり、多くの基礎・応用研究が進んでいる。 本研究実施者は、これまで、酸化チタンナノ微粒子上の金ナノ粒子を励起した際、50fs以内に約30-100%の収率で、酸化チタンの伝導帯に電子移動反応が起こることを、過渡吸収測定から解明した。その後、金ナノ粒子間付近に生じる増強電場が金から酸化チタンへの電子移動反応に与える効果を、フェムト秒の過渡吸収分光により定量的・体系的に明らかにした。H22年度は、増強電場が他の反応系にあたえる増強反応の機構理解を、素過程の解明から進めた。 具体的には、共同研究を通して、金属以外の増強電場の系として、金属酸化物(ITO)ナノ粒子における電場増強効果を表面コート色素の2光子励起条件下でのフェムト秒過渡吸収を測定することによって評価した。ITOナノ粒子が無いときに較べ30倍の信号増強が得られ、金属酸化物でも大きな電場増強が起こることを定量的に確かめた。また他の共同研究として、高強度フェムト秒パルスで励起された金ナノ粒子から電子が周りの水中に放出されることによっておこるクーロン爆発現象の実時間観察に成功した。本来の研究課題である金と酸化チタンの電荷分離過程において、その再結合時間が10-100psスケールと速いことの原因を量子ドットと酸化チタンの系との比較から議論し、粒子同士の接触面積が大きいことが問題であることを提案した。
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Research Products
(14 results)