2009 Fiscal Year Annual Research Report
膜内切断(RIP)プロテアーゼの細胞機能
Publicly Offered Research
Project Area | Proteolysis in the Regulation of Biological Processes |
Project/Area Number |
21025016
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
千葉 志信 Kyoto University, ウイルス研究所, 助教 (20523517)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 芳展 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (10192460)
|
Keywords | 膜蛋白質分解 / 分泌蛋白質 / プロテアーゼ / 原核生物 |
Research Abstract |
A. RsePの解析 S2PファミリープロテアーゼであるRsePは細胞質膜を超えたシグナル伝達を担う膜内切断プロテアーゼであるが、H21年度の研究から、我々は、これまで知られていなかったRsePの第二の生理機能を見いだした。分泌蛋白質はN末端にシグナル配列を持った形で合成され、膜透過に伴いこのシグナル配列が切断除去され、本体は細胞外へ遊離し、シグナル配列は膜内にとどまる。原核生物に於いて膜内にとどまったシグナル配列の代謝についてはほとんど知られていなかったが、我々は大腸菌に於いてはRsePが膜内におけるシグナル配列切断を中心的に担うことを見いだした。枯草菌に於いてもS2Pホモログがシグナル配列の膜内切断に関与することを見いだし、シグナル配列の膜内切断に於けるS2Pの普遍的重要性が示された(論文投稿準備中)。シグナル配列の膜内切断は生体膜の品質維持に必要であり、また、切断後のポリペプチドが生理機能を発揮する例も幾つか知られている。この重要なプロセスについて、多くの教科書には「原核生物のシグナル配列膜内切断はSppAと呼ばれるプロテアーゼが担っている」と記載されているが、本知見は、この基礎的な知見に関する誤解を修正するものである。本知見により、シグナル配列の膜内切断を伴う生理機能(膜の品質管理やフェロモン分子の産生など)の分子レベルでの理解がさらに進む物と期待される。 B. GlpG、YdcAの解析 1)枯草菌GlpGホモログYdcA欠失により生育阻害が起こることを見いだした。今後、他の膜内プロテアーゼの変異との組み合わせでこの生育阻害にどのような変化が見られるか観察し、GlpGファミリープロテアーゼの機能解析を推進する。
|
Research Products
(2 results)