2010 Fiscal Year Annual Research Report
すばるFMOSを用いたバリオン振動探査によるダークエネルギーの研究
Publicly Offered Research
Project Area | Probing the Dark Energy through an Extremely Wide & Deep Survey with Subaru Telescope |
Project/Area Number |
22012005
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
戸谷 友則 京都大学, 理学研究科, 准教授 (90321588)
|
Keywords | ダークエネルギー / 構造形成 / 宇宙論 / 銀河形成 |
Research Abstract |
FMOSの試験観測データを用いて、撮像サーベイのデータから銀河を選択し、実際に分光して銀河の赤方偏移を決定するプロセスを調べた。すでにこれまでの検討から、Canada-France-Hawaii Telescope Legacy Survey (CFHTLS) Wide領域や、Red Sequence Cluster Sruvey 2 (RCS2)領域が広さと深さ、波長域フィルターのバンド数などで有力視されているが、FMOSのguaranteed time observation (GTO)観測を通じて、これらの領域でのターゲット銀河選択プロセスが実際に30%の効率で可能なことがわかった。その結果を踏まえ詳細なサーベイシミュレーションを行い、予想されるダークエネルギーへの制限精度を観測時間の関数として正確に見積もり、提案書に反映させた。また、様々な系統誤差の検討を行った。たとえば、FMOSにおけるOH夜光除去に伴う特定の赤方偏移の銀河の欠損などが与える影響を、現実的なシミュレーションなどをもちいて正確に見積もるためのシミュレーションを開始した。 RSD (red shift distortion)による重力理論制限の研究については、BAOよりも短い観測時間で有効な成果が出せることが分かり、RSDを主眼としてすばる戦略枠提案の提案書を作成し、提出した。現在、最終審査段階である。採択された場合には、平成23年度後半(S11B)より、すばる望遠鏡をもちいたサーベイが開始される。現在は審査を待つと同時に、試験観測データをさらに詳細に吟味している。
|
Research Products
(3 results)