2011 Fiscal Year Annual Research Report
新規マクロファージ亜群の同定とその生体内自己免疫反応制御における意義
Publicly Offered Research
Project Area | Immunological Self Recognition and its Disorders |
Project/Area Number |
22021003
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
上出 利光 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (00160185)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 純子 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教 (20451396)
黒滝 大翼 横浜市立大学, 大学院・医学研究科, 助教 (10568455)
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Keywords | マクロファージ / CSF-1 / TGF-β / Treg |
Research Abstract |
脾臓には生体のホメオスターシスを維持する為に様々な機能を有するマクロファージ(MΦ)サブセットが存在する。赤脾髄MΦ、老化した赤血球や血中の抗原を貪食する。老化赤血球は一種の自己抗原であるため、赤血球を取り込んだマクロファージが免疫反応を惹起するのは生体にとって危険である。赤脾髄には、F4/80hiMac-1lowMΦが存在するが、脾臓での主たるMΦであるF4/80hiMac-1low MΦと異なり、α9インテグリンを高発現し、炎症性ケモカイン受容体CCR2の発現は無い。F4/80hiMac-1low MΦはLPSや非メチル化CpGDNAモチーフを含むDNA配列(CpGDNA)/TLR9リガンドの刺激により炎症性サイトカインであるIL-6やIL-12p40を産生増強する。一方、F4/80hiMac-1lowMΦは、同様の刺激でIL-10の産生増強をしめした。更に恒常的に抑制性サイトカインであるTGF-βを大量に産生する。F4/80hiMac-1low MΦは抗原存在下で、樹状細胞(DC)と同等の強いヘルパーT細胞増殖を誘導するが、F4/80hiMac-1lowMΦはT細胞の増殖誘導やエフェクターサイトカインであるIFN-γの産生誘導を惹起する能力が欠如していた。T細胞の増殖は抗TGF-β抗体添加により有意に回復する事から、T細胞増殖の抑制は、恒常的に産生されるTGF-βによると判明した。2D2T細胞を抗原存在下で、F4/80hiMac-1lowMΦと培養するとFoxp3陽性regulatory T cellが誘導され、ヘルパーT細胞の増殖を抑制する事が判明した。赤脾髄MΦには、colony-stimulating factor-1(CSF-1)に依存性および非依存性の細胞が存在するが、F4/80hiMac-1lowMΦの分化、産生はCSF-1依存的であった。
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Research Products
(5 results)