2010 Fiscal Year Annual Research Report
急性期蛋白による自己免疫疾患・感染症の制御
Publicly Offered Research
Project Area | Immunological Self Recognition and its Disorders |
Project/Area Number |
22021029
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村上 正晃 大阪大学, 生命機能研究科, 准教授 (00250514)
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Keywords | サイトカイン / 急性期蛋白 / CD4+T細胞 |
Research Abstract |
私たちは、線維芽細胞にてIL-6信号によって生体内のIL-7の発現量が制御されていることを示すことができた。"LPSが肝細胞からIL-7を免疫細胞由来のTRIF=>IFNβを介して誘導してT細胞の反応性を亢進させる"ことを発見し、論文に発表した(Immunity 2009)。今年度は以下の2の点に関して実験を行った。 (i)LPSあるいは他のTLRリガンドの刺激にて肝臓から発現されてT細胞の反応性に大きな影響を与えるIL-7以外の分子を同定することを目的にDNAアレーから自己免疫誘導時に肝臓にて発現する可溶性分子を同定した。これまでに約20個の分子を肝臓にて強制発現させてT細胞の分裂能を指標に解析した。その結果、2つの分子を強制発現させた場合にT細胞の分裂が促進した。それらの分子のうち、1つのものは、肝臓特異的にノックダウンさせたときのT細胞依存性自己免疫疾患の発症を有意に抑制した。現在、この分子の肝臓特異的にノックアウトすることができるloxP配列を持つ変異マウスをイギリスの研究者から共同研究として供与を受けた。今後、本マウスを用いて免疫病発症における本分子の機能を解析する。 (ii)ドイツの研究者から供与を受けたI-IFN受容体floxマウスとアルブミン-Creマウスを用いて肝臓特異的にI-IFNが作用しない変異マウスを作製した。LPSの投与後のIL-7産生は有意に減少した。しかし、実験的脳脊髄炎の誘導のIL-7産生は、正常に行われた。これらの結果は、TLR刺激の種類によって肝臓から誘導されるIL-7発現機構が異なることを意味する。本結果と同様のものは、私たちはすでに論文発表していた。ザイモザン刺激によるTLR2活性化後の肝臓でのIL-7産生はI-IFN受容体の肝臓特異的なノックダウンによっても抑制されなかった。これらの結果から、TLR2の下流に存在するサイトカインで肝臓に作用してIL-7発現を誘導するものの同定を行っている。
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Research Products
(23 results)