2010 Fiscal Year Annual Research Report
触媒膜導入マイクロ流路反応デバイスの創製
Publicly Offered Research
Project Area | Organic Synthesis based on Integration of Chemical Reactions. New Methodologies and New Materials |
Project/Area Number |
22106544
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Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
魚住 泰広 分子科学研究所, 生命・錯体分子科学研究領域, 教授 (90201954)
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Keywords | マイクロ・リアクター / 固体化触媒 / 高速化触媒 / フロー・リアクター / 膜触媒 |
Research Abstract |
【(1)高分子固定化不斉触媒の創製】 2009年、申請者は高分子固定化不斉配位子(JACS 2001, 2919))を用い、均一触媒でさえ実現されていない高エナンチオ選択的Suzuki-Miyaura反応による軸不斉ビアリール化合物合成を世界に先駆けて達成している(ACIE, 2009, 48, 2708)。 本研究初年度(平成22年度)は不斉Suzuki-Miyaura反応をエナンチオ場選択的反応系(JACS 1995, 9101)に展開した。また同反応システムにおいてSonogashira反応,Buchwald-Hartwig反応など有機合成の根幹的反応でありながら未だに充分な不斉触媒化が実現されていない重要工程の不斉化へと展開拡張した。とくにエナンチオ選択率70%にてSonogashira反応生成物を得ている。またクリック型反応に関してもエナンチオ場選択的反応を検討し60%を越える選択性に到達している。 【(2)マイクロ精密化学合成デバイスの創製】申請者はマイクロ流路反応デバイスの層流界面において配位性高分子錯体膜触媒を導入する「ship-in-a-bottle」手法を開発している(JACS2006, 15994)。本提案初年度(平成22年度)において同手法を高分子塩形成に展開した。すなわち、マイクロ流路層流界面に於いて高分子塩を形成・析出させる手法を確立し、同手法を基盤とした流路内触媒膜形成を実施する。具体的にはポリピリジニウムカチオンとパラデートジアニオン、白金酸ジアニオン,などの遷移金属塩の流路内膜状固定化を実施し、各々の金属特有の反応(Pd:アリル位置換・ヘック反応など、Pt:各種酸化還元反応,W:オレフィンエポキシ化)を検討した。同時にポリビニルピリジンとアリールスルホン酸との酸塩基塩形成を展開した、マイクロデバイス内での高分子酸触媒形成を実施した。得られた高分子酸膜導入マイクロ流路デバイスを利用したアセタール化反応をフロー系で実施し超高速での生成物(アセタール化合物)合成について初歩的な知見を得ている。さらに酸性不斉配位子を調製し,マイクロ流路内でポリビオロゲンと多価塩形成させる流路内層流界面上への不斉高分子配位子膜を導入検討を推進した。
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Research Products
(17 results)