2011 Fiscal Year Annual Research Report
光のレイシューティングシミュレーションを用いた重力レンズ起源の偏光ゆらぎの見積り
Publicly Offered Research
Project Area | The Physical Origin of the Universe viewed through the Cosmic Background Radiation - from Cosmological Inflation to Dark Ages - |
Project/Area Number |
22111501
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
高橋 龍一 弘前大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (60413960)
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Keywords | 宇宙背景輻射 / 宇宙の大規模構造 / ダークマター(暗黒物質) / 重力レンズ / 数値シミュレーション |
Research Abstract |
以下の2つの成果が得られた。それぞれについて以下で記述する。 1.重力レンズを受けた宇宙背景輻射の疑似マップ(温度&偏光ゆらぎ)の作成 まず、重力レンズを受けていない宇宙背景輻射の2次元マップを用意する。面積は4πの正方形(全天と同じ)、温度と偏光揺らぎの2次元マップである。宇宙背景輻射の揺らぎのパワースペクトルからガウス揺らぎを仮定し作成した。次に、N体シミュレーションを用いて、宇宙の大規模構造を作成した。最終散乱面から我々に届くまでの光の経路を、非一様宇宙を伝播する光の重力レンズシミュレーションを使って計算した。そこから10度×10度の領域を取ってきて、重力レンズを受けた宇宙背景輻射のマップ(温度&偏光ゆらぎ)を作成した。揺らぎのパワースペクトルを計算し、理論モデルと比較し、完全に一致していることを確かめた。現在、2次元マップから手前の構造形成の情報を引き出す計算も始めている。 2.宇宙背景輻射の温度揺らぎに対する重力レンズの影響の再計算 ダークマター(暗黒物質)による宇宙の大規模構造の揺らぎのパワースペクトルを最新のN体シミュレーションを用いて計算した。その結果、計算の分解能が上がった影響で、これまで考えられていたよりも小スケールで揺らぎが大きくなることを見出した。この結果を用いて温度揺らぎのパワースペクトルを計算すると、小スケール(約1分角以下)で10%程度これまでの計算よりパワーが上がることが示された。
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Research Products
(6 results)