2011 Fiscal Year Annual Research Report
会話支援ロボットの開発と会話双方向性計測法による相互作用のモデル化
Publicly Offered Research
Project Area | Founding a creative society via collaboration among humans and robots |
Project/Area Number |
22118501
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大武 美保子 東京大学, 人工物工学研究センター, 准教授 (10361544)
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Keywords | 会話 / ロボット / 相互作用 / モデリング / 支援システム / 高齢者 / ヒューマンロボットインタラクション / 情報学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、参加者全員がある一定割合以上の度合い、能動的に参加することを目指す共想法形式の会話セッションを司会する、会話支援ロボットを開発し、双方向の活発な会話が安定して実現するかどうかを、実験的に検証することである。参加者毎の発話量をリアルタイムで計測しながら、口数の少ない参加者に発話を促し、長く話しすぎる参加者の発話は、時間により終了するようフィードバックをかけることに挑戦する。 本年度は、以下の三つの項目について研究を行った。 1.人間の司会者の発言を登録した遠隔操作型会話支援ロボットの製作と実験による評価 共想法形式のグループ会話の中で、人間の司会者が自然に発した発言を集め、汎用性の高いものを登録し、選択可能とした遠隔操作型会話支援ロボットを開発した。参加者の発話を補助するための発言を、本人へのあいづち、内容へのあいづち、フォロー、質問に分類し、これらを登録したロボットを用いてグループ会話を支援し、実際に用いられる発言を調べた。 2.発話量と笑顔度に基づいて司会する自律型会話支援ロボットの製作と実験による評価 前年度までに、発話量に基づいて発話者を切り替える機能を持つ自律型会話支援ロボットを製作した。会話が盛り上がっている時でも、発言の間が空いた時に発話者を切り替えようとする問題を解決するため、笑顔度に基づいて切り替えるタイミングを計る機能を実装した。発話量のみでフィードバックする場合よりも、発話量と笑顔度に基づいてフィードバックする時の方が、全体の発話量が増え、ばらつきが減ることを実験的に確かめた。 3.高齢者による会話支援ロボットの遠隔操作実験 人と人との交流を支援する会話支援ロボットを、グループ会話を司会した経験のある高齢者が遠隔操作することができるかどうかを確かめる実験を行った。具体的には、共想法形式のグループ会話の司会と対談の司会を、高齢者が会話支援ロボットを遠隔操作することにより実現した。特に発言が長い人への発言の制止と切り替えなど、人間の司会がやりにくいことを、ロボットを介することで円滑かつなごやかに行うことができることを確かめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初、発話量のみを用いてフィードバックを行う計画であったが、顔画像認識により得られる笑顔度を考慮することで、より自然な形で発話量のばらつきを抑え、全体の発話量を向上させることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、個別に開発してきた二種類の会話支援ロボット、人間の司会者の発言を登録した遠隔操作型会話支援ロボットと発話量と笑顔度に基づいて司会する自律型会話支援ロボットの要素技術を統合し、場の雰囲気を読み取り、適切な発言を選択可能な会話支援ロボットを開発する計画である。
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Research Products
(22 results)
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[Presentation] 認知症予防回復支援サービス「ふれあい共想法」の介護福祉施設における実施手法の開発2011
Author(s)
塚脇章生, 蓼沼芳保, 佐藤由紀子, 根岸勝寿, 田口良江, 前川晃子, 永井澄子, 武下秀子, 黒田征二, 明神愛輝, 鬼武眞人, 長谷川多度, 大武美保子
Organizer
2011年度人工知能学会全国大会
Place of Presentation
岩手県民情報交流センター,盛岡
Year and Date
2011-06-01
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