2011 Fiscal Year Annual Research Report
細胞質ダイニンのアイドリング複合体の構造解析と活性化メカニズムの解明
Publicly Offered Research
Project Area | Integrative understanding of biological processes mediated by transient macromolecular complexes; New technology for visualizing physiologically metastable states. |
Project/Area Number |
22121518
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
広常 真治 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80337526)
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Keywords | 細胞質ダイニン / 微小管複合体 / アイドリング状態 / 構造解析 / 低分子量G蛋白質 |
Research Abstract |
我々は細胞質ダイニンの制御機構の解明に取り組んできた。細胞質ダイニンは微小管上を双方向に走るがプラス端に向って走るメカニズムは不明であった。我々は滑脳症の原因遺伝子・LIS1が細胞質ダイニンを微小管上に固定し、微小管-LIS-細胞質ダイニンの複合体を形成し、キネシン依存的に運搬することを明らかにした。さらにアスペルギルスにおけるNud遺伝子群のNudCがキネシンのアダプタータンパク質として機能していることを明らかにした。このことからLIS1が変異を起こすと細胞質ダイニンの順行性の運搬が障害され、細胞内における細胞質ダイニンの局在が中心体に偏った分布を示し、細胞の末梢部分で枯渇することが分かった。このことがLIS1の変異に伴う神経細胞の遊走異常、また細胞分裂における紡錘体形成や染色体分配の異常につながることが分かってきた。また、NudCの変異は細胞質ダイニンの順行性の運搬のみならず、他のオルガネラの運搬も障害されることから、NudCはキネシンの一般的なアダプタータンパク質として機能していることが示唆された。さらに、細胞質ダイニンはLIS1により微小管上にアイドリング状態になるが、低分子量G蛋白質のRabファミリーのタンパク質によって活性化されることが示唆された。さらに電子顕微鏡を用いた構造解析から、LIS1は細胞質ダイニンの頭部に結合し、ダイニン分子のスライドを制限することで細胞質ダイニンの微小管上の移動を制限することを証明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞質ダイニンの微小管上におけるLIS1との複合体の構造を明らかにし、さらに低分子量G蛋白質のRabファミリーによる細胞質ダイニンの活性化の証明に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞質ダイニンの不活化のメカニズムさらには低分子量G蛋白質の活性化・不活化に制御する分子機構の解明に取り組む。
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Research Products
(2 results)