2022 Fiscal Year Annual Research Report
Challenges in imaging tracer dynamics in living cells
Publicly Offered Research
Project Area | Integrated Biometal Science: Research to Explore Dynamics of Metals in Cellular System |
Project/Area Number |
22H04807
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
菅野 里美 名古屋大学, 高等研究院, 准教授 (20586010)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | イメージング / 元素 / リン酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、栄養元素の生体へ投与したトレーサの細胞への取り込みと細胞内局在を解析するための高空間分解能トレーサイメージング手法を確立し、さらに生細胞のRNA転写リアルタイムイメージングと合わせることにより、元素の量的変動とリン応答マーカー遺伝子発現量変動を統合的に解析し、細胞の元素認識機構の理解のための基礎的な知見を得ることを目指す。分子生物学的ツールが細胞内の機構にアクセス出来るのに対し、生体内での元素の挙動を解析は手法が限られている。現在、生体内での元素挙動を可視化するための既存のトレーサイメージング手法は、その空間分解能に限界がある。しかしながら、理論値としてはより高い空間分解能を持たせることが可能と算出されたことから、本研究では、高空間分解能実現のための最適化を目指して実験を進めた。本計画では、シンチレータとCMOSカメラの間にシンプルなレンズ系を入れることでレンズによるシグナルロスを抑えながら拡大し細胞レベルの分解能を持たせるため、レンズ系を組み検証を行った。その結果、システムに使用していた蛍光体の方に空間分解能の向上を妨げる原因がある事が明らかとなった。そのため、蛍光体の種類について検討し直し、近年新しく開発された蛍光体を使用することとなった。現在、新規の蛍光体をレンズ系に接続するための加工をオプトクラフト社と設計し加工を進めている。上記の組み合わせで空間分解能が10マイクロメートル以下となる事が想定されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
パンデミックの影響による半導体不足からカメラやパーツの入手が大幅に遅れるという問題があったが、代用機器を利用しながら空間分解能の向上を妨げていた原因を突き止めることができた。現在、まだ加工中の部品はあるものの、計画通りの検出機器を組み上げることが出来る方針を固めることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、本研究で立ち上げたシステムについてのスペック評価のデータを取得し、技術論文として投稿することを最優先し、研究計画にある生体サンプルでの測定を随時進めていく。また、現在、最も検出が容易なトレーサ元素であるリンを使用して検出実験を行っているが、今年度は、領域内の研究者が研究対象としている元素トレーサ(特に鉄)についても検出感度や空間分解能の検証を進められるようにし、領域内での新規の共同研究を構築できるように努める。
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Research Products
(4 results)