2012 Fiscal Year Annual Research Report
メリステム制御の基盤を支える植物幹細胞の不等分裂の分子機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Plant regulatory systems that control developmental interactions between meristems and lateral organs |
Project/Area Number |
23012002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤田 知道 北海道大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (50322631)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 雅樹 北海道大学, 基礎生物学研究所・生物進化研究部門, 助教 (00586894)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 幹細胞 / 細胞極性 / 不等分裂 / ヒメツリガネゴケ / ストレス / 細胞周期 |
Research Abstract |
植物の形態形成はメリステムにある幹細胞の増殖と分化のバランスにより制御されている。幹細胞の不等分裂はこのようなバランスを支える基本的しくみであり、メリステムを理解するためには幹細胞の不等分裂の分子制御機構の理解は不可欠である。ヒメツリガネゴケから単離したプロトプラストや原糸体の頂端細胞は露出した幹細胞であり、不等分裂を細胞レベルで研究するのに極めて優れている。そこで本研究はヒメツリガネゴケの幹細胞に着目し、不等分裂による幹細胞の自己複製と細胞分化が細胞周期とともにどのように制御されているかの分子機構を細胞レベルより明らかにすることを目的とした。ヒメツリガネゴケの幹細胞に一過的に過剰発現させることにより、不等分裂異常を引き起こした4種類の因子に着目し、パラログを含めた多重遺伝子破壊体や条件的遺伝子過剰発現体などを作成し、機能解析をすすめた。その結果、GRAS転写因子を条件的に過剰発現することにより、プロトプラストの不等分裂の頻度が下がりかわりに等分裂の頻度が上昇した。また分化した細胞の幹細胞化が促進され、側糸始原細胞の形成頻度が上昇した。一方、転写抑制ドメインを融合した条件的機能抑制体を作成し、機能抑制により細胞増殖が停止し、場合によっては致死となる表現型を得た。これまでの結果とあわせて、この転写因子は幹細胞化を正に制御する上流の転写因子であると考えられた。次に細胞周期制御と極性形成・不等分裂との関係を調べるためにサイクリン依存性キナーゼPpCDKAの機能解析を行った。ゲノム中に2コピー存在するPpCDKAの二重遺伝子破壊体は致死とはならず、この表現型を調べたところ、PpCDKAは細胞周期進行に加え細胞極性や偏光屈性さらにストレス応答の制御に関わることが明らかとなった。またRNA-seqにより二重遺伝子破壊体では多数のストレス制御遺伝子が異常発現していることがわかった。
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Research Products
(2 results)