2011 Fiscal Year Annual Research Report
東アジア諸都市におけるサブカルチャーの生産・流通・受容と若者の心理
Publicly Offered Research
Project Area | Comparative Research on Major Regional Powers in Eurasia |
Project/Area Number |
23101701
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
千野 拓政 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (50216561)
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Keywords | 各国文学・文学論 / 中国文学 / 東アジア / サブカルチャー / 若者の感性 |
Research Abstract |
東日本大震災の影響で、前年度に予定していたシンポジウムが半分実施できなくなったため、2011年度は、引き続き資料の収集を進めることとともに、昨年度未整理だったデータに今年度の新たな調査研究の成果を付け加えて、再度シンポジウムを開催すること、ならびにこれまでの調査研究とシンポジウムの成果を単行本として公開することに、重点を置いた。 シンポジウムについては、2012年3月23、24日に、早稲田大学で「新世紀:東アジア諸都市のサブカルチャーと若者の心」と題する国際シンポジウムを開催した。被招聘者は各都市の調査報告者として、趙楠(北京大学大学院)、陳柏青(台湾大学大学院)、陳宇〓(シンガポール聯合早報)、各領域の専門家として、趙長天(作家、『萌芽』雑誌編集長)、顧鉾(復旦大学教授、写真家)、李笛安(作家)、喜喜(コスプレイヤー)を招聘した。(上海、香港については、留学、転職などのため調査協力者が来日できなかった。そのため、千野が代替して報告した。) 調査研究並びにシンポジウムの成果の公表については、ここまでのまとめとして、勉誠出版から『アジア遊学149東アジアのサブカルチャーと若者のこころ』を出版した。 当初予定していた各都市での高校におけるアンケート調査ならびにインタビューは、2012年度に行うこととし、9月に上海へ出向いてその準備を行った。また、同時に、留学、転職などのため継続して協力をお願いできなくなった上海、香港の調査協力者について、共同研究者の友人を通じて再度調整を行った。(香港についての調整は、当該の友人が同時期に上海に出張していたため、上海で相談した。)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年度初めの計画どおり、シンポジウムを開催でき、調査報告・討論なども順調に進んだ。また、ここまでの調査研究のまとめとして『アジア遊学149東アジアのサブカルチャーと若者のこころ』を出版することができた。2012年度に延ばした各都市の高校生に対する調査も、実施のめどを立てることができた。こうした点から、計画のプロセスに多少の変更はあったものの、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
2012年度は、上海、北京、台北、香港、シンガポールで高校生を対象としたアンケート調査を行い、あわせて各都市のライトノベル作家・マンガ家アニメーター、同人活動の描き手・企画者・参加者へのインタビューを進める。資料収集も引き続き行い、可能な限り整理する。また、最終の成果報告として、小型のシンポジウムの開催と、最終の調査結果と分析の結果を盛り込んだ単行本の出版を予定している。
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Research Products
(3 results)