2011 Fiscal Year Annual Research Report
個体・組織での1細胞機能イメージングを可能にする光活性化機能センサータンパク質
Publicly Offered Research
Project Area | Cross-talk between moving cells and microenvironment as a basis of emerging order in multicellular systems |
Project/Area Number |
23111502
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松田 知己 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (50419206)
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Keywords | ライブセルイメージング / 蛍光タンパク質 / バイオセンサー / 蛍光顕微鏡 / 光操作 |
Research Abstract |
申請者はこれまでに連携研究者の作製したFRET(蛍光エネルギー移動)を利用したカルシウムイオン濃度センサータンパク質Cameleon(Nagai T et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,101,10554-10559,2004)を元に光活性化カルシウムイオン濃度センサータンパク質を作製している。このセンサータンパク質はFRETのエネルギーのドナーであるPA-GFP(光活性化GFP)、エネルギーのアクセプターである赤色蛍光タンパク質、そしてセンサードメインとしてのカルシウム結合タンパク質Calmoduhn-M13ペプチドから構成されていた。 改良にあたって、まず赤色蛍光タンパク質の部分を、既に報告のあるクラゲ、イソギンチャク、から単離された色素タンパク質のうち、その吸収スペクトルが活性化型PA-GFP蛍光スペクトルとオーバーラップのあるものに交換した。 センサーのスクリーニングはHeLa細胞内に発現させて行い、 (1)発現細胞内で凝集体形成が起こっていないこと (2)共焦点顕微鏡下で光刺激を行った際刺激後に有意な蛍光強度の増加が得られていること (3)細胞にhistamine刺激を与えた際のカルシウム変動をモニター出来ていること を指標に選択した。 FRETを利用した機能タンパク質の開発においては、蛍光タンパク質中の蛍光発色団の相対的な位置関係の最適化が必須であるため、センサーの構成要素間のリンカー長の改変や色素タンパク質の円順列変異導入による相対角度の最適化を行い、黄色蛍光タンパク質Venusの無蛍光変異体DimVenusの円順列変異体をアクセプターとして持つPA-Cameleonを開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請時に目標としていたPA-Cameleonの開発を達成しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
PA-Cameleonの光活性化蛍光タンパク質部分のPA-GFPを光刺激により可逆的に蛍光のon、offを行うことのできるPadron等の可逆的な光活性化蛍光タンパク質に入れ替えることにより蛍光出現と消失を自由にコントロールできるような光活性化カルシウムイオン濃度センサータンパク質の開発を試みる。また、PA-CameleonのセンサードメインをATP合成・分解酵素のATP結合ドメインに交換して光活性型ATPセンサータンパク質の作製を試みる。
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Research Products
(2 results)