2011 Fiscal Year Annual Research Report
癌幹細胞の特性維持に関わる長鎖非蛋白コードRNAの同定と新規治療標的としての検討
Publicly Offered Research
Project Area | Development of Novel Treatment Strategies Targeting Cancer Stem Cells |
Project/Area Number |
23130502
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
岩間 厚志 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (70244126)
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Keywords | 白血病 / lineRNA / ポリコーム複合体 / MLL-AF9 |
Research Abstract |
我々は白血病幹細胞へのリプログラミングの過程に白血病原因遺伝子が直接活性化するlincRNAが関与するのではないかとの着想を得、これを検討するために、白血病原因遺伝子産物によって白血病幹細胞特異的に転写が活性化されるlincRNAをプロファイルした。白血病染色体融合遺伝子MLL-AF9を強制発現させた骨髄球細胞株U937を用いて、RNA sequenceによるlincRNAの発現解析、Chromatin Immunoprecipitation sequence(ChIP sequence)からMLL-AF9によって直接誘導されるlincRNAの同定を行った。さらにRNA-Immunoprecipitation sequence(RNA-IP sequence, RIP sequence)からポリコーム複合体と会合するlincRNAの同定を行った。MLL-AF9により発現誘導され、かつポリコーム複合体の機能制御にかかわるlincRNAを同定するため、以下の様にlincRNAをプロファイルした。MLL-AF9のChIP sequenceよりMLL-AF9が結合しうるlincRNA 1828、RNA sequenceよりMLL-AF9強制発現下で発現が高いlincRNA 273、RIP sequenceよりポリコーム複合体PRC2構成因子EZH2と会合しうるlincRNA 1254、を同定し、かつ上記の3項に共通である37の1incRNAを確認した。このように本研究において、白血病幹細胞で特異的かつポリコームと関連しうるlincRNAをプロファイルすることができた。現在はさらに詳細な解析を進めており、MLL-AF9で形質転換したヒト臍帯血由来造血幹細胞や臨床検体を含む、各種正常および白血病細胞における発現解析を行い、候補lincRNAのスクリーニングを行うとともに、白血病化過程におけるlincRNAの機能解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
白血病細胞株を用いた解析は予定通り一通り実施し、網羅的な解析により目的とする候補lincRNAを絞り込むことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、同様の解析をよりヒト白血病に近い細胞で行い、その候補遺伝子群の発現を臨床サンプルで確認する必要がある。これらの解析で絞り込んだ遺伝子群について、その生理的活性を白血病モデルにおいて検証する予定である。
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Research Products
(15 results)