2013 Fiscal Year Annual Research Report
ネアンデルタールのライフステージと栄養生態:サピエンスとの学習能力差の基盤の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Replacement of Neanderthals by Homo sapiens: testing evolutionary models of learning |
Project/Area Number |
25101701
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山内 太郎 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (70345049)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ネアンデルタール / ホモサピエンス / ライフヒストリー / 成長パターン / 栄養生態 |
Research Abstract |
1.現代の狩猟採集民に関する定量データ収集: 本研究の初年度であったが、H23-24の第1期招待研究で取り組んできたピグミー系狩猟採集民の子どもに焦点をあてて継続調査を行った。子ども(2歳~18歳)の身体計測の縦断調査および子どもの森キャンプにおける行動調査(個体追跡と加速度計モニタリング)を実施した。授乳、育児(保育活動)および母子関係に関する予備調査を行った。成果の一部を論文投稿した。 2.ネアンデルタールの栄養生態とライフヒストリーに関する仮説の構築: ネアンデルタールの寒冷適応モデルと先行研究から、ネアンデルタールのライフヒストリー(生活史)についての仮説として、「思春期成長スパートが無い、霊長類型のライフヒストリー」と「程度は小さいが、明瞭な思春期スパートをともなう、ホモサピエンス型のライフヒストリー」の2つを提示した。2013年度12月のプロジェクト全体会議でシンポジウムを組織した。成果を2013年度A02班報告書にまとめた。英文単行書(1つの章を担当)の刊行も予定されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していたカメルーン共和国における狩猟採集民の調査も無事に行い、有益なデータを収集することができた。成果は論文として公刊された。 現代狩猟採集民の寒冷適応モデルと先行研究から、ネアンデルタールのライフヒストリー(生活史)についての仮説を構築することができた。2013年度12月のプロジェクト全体会議でシンポジウムを組織し、関係研究者と有益な議論ができた。成果を2013年度A02班報告書にまとめた(英文単行書の論文も執筆中)。
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Strategy for Future Research Activity |
1.現代の狩猟採集民に関する定量データ収集: カメルーン共和国東部州に半定住化して暮らしているピグミー系狩猟採集民の調査を継続する。とくに「集団サイズと人口構造」、「授乳、保育活動と母子関係」について集約的調査を行う。 2.ネアンデルタールの栄養生態とライフヒストリーに関する仮説の構築: 狩猟採集民の狩猟活動のエネルギーコスト、狩猟活動に従事する時間(分/日)をベースとしてネアンデルタールのエネルギー必要量を推定する。思春期成長スパートと創造性について広い学術分野の文献調査を行い、仮説を構築する。
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Research Products
(11 results)