2013 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマの中枢神経組織への作用の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Plasma medical innovation |
Project/Area Number |
25108515
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
片岡 洋祐 独立行政法人理化学研究所, ライフサイエンス技術基盤研究センター, チームリーダー (40291033)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 中枢神経 / 神経伝達 / 脳血流 / 大気圧プラズマ / 光酸化 / ラジカル |
Research Abstract |
プラズマは光・荷電粒子・ラジカル等からなり、その医療応用においてはさまざまな可能性が示唆されているものの、確立された理論に基づく医療技術あるいは装置は未だ実用化されていない。特に、中枢神経組織へのプラズマの作用についてはほとんど研究が進められておらず、その作用や医療応用の可能性すら議論できる状況にない。そこで、本研究ではラットの中枢神経組織を対象に大気圧プラズマを照射し、これまで進めてきた光力学的作用と比較することで、神経伝達機能や脳血流等への作用等について検討した。 これまでに、ラット大脳皮質を対象に光増感色素の投与と光照射を組み合わせた光組織酸化実験を実施し、一過性に神経伝達が抑制され、さらに強力な組織酸化を施すと、局所神経組織の脱分極を介してSpreading depressionが誘発され、組織前駆細胞の増殖が促されることが観察されている。そこで、プラズマを1分間照射し、電気刺激に対するフィールド電位の変化を観察したところ、若干のフィールド電位の減弱を観察した。また、照射中およびその1分後をピークとする二相性の脳血流の一過性の増大を観察した。しかしながら、プラズマ照射によってSpreading depressionが惹起されることはなく、こうした脳血流の増大はプラズマ中に含まれる荷電粒子・ラジカル等による血管への直接作用によるものではないかと考えられた。今後、プラズマ照射の作用を光組織酸化による作用と比較しながら、細胞増殖活性や組織形態の変化についても検討を加える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、平成25年度にはプラズマ照射による中枢神経伝達や、Spreading depressionの発生、脳血流など中枢神経代謝への影響を調べることであった。プラズマ装置のセットアップに少し時間を費やしたが、概ね、これらの研究目標は達成できた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は神経伝達機能や脳血流へのプラズマの効果について検討した。今後、組織学的観察や生化学的研究手法を加え、神経組織修復・再生への影響を検討する。また、神経炎症への影響を検討する。
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Research Products
(12 results)
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[Journal Article] Brain interleukin-1beta and the intrinsic receptor antagonist control peripheral toll-like receptor 3-mediated suppression of spontaneous activity in rats.2014
Author(s)
Yamato, M., Tamura, Y., Eguchi, A., Watanabe, Y., and Kataoka, Y.,
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Journal Title
PLOS ONE
Volume: 9
Pages: e90950
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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