2014 Fiscal Year Annual Research Report
創薬を指向した緑膿菌の取り込み機構に関するケミカルバイオロジー
Publicly Offered Research
Project Area | Chemical Biology using bioactive natural products as specific ligands: identification of molecular targets and regulation of bioactivity |
Project/Area Number |
26102701
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
市川 聡 北海道大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (60333621)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 天然物 / ケミカルバイオロジー / 抗菌剤 / 薬剤耐性 / 有機合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請研究は、ヌクレオシド系天然物のムライマイシン・ムレイドマイシンの分子標的を同定し、その活性を制御することを目的とする。本研究の遂行には、多彩なムライマイシン・ムレイドマイシン誘導体を合成する必要がある。本年度は、迅速な誘導体合成を可能とするために、ペプチドを有するという構造的特徴を利用して固相合成法による合成法を開発することとした。まずジアミノブタン酸誘導体とウリジンから調製したヨードオレフィンとのクロスカップリングによりヌクレオシドユニットを合成した。これを、固相に担持したウレアジペプチドカルボン酸と縮合し、N-末端アミノ酸残基を縮合後に、固相担体から切り出すことで、ムレイドマイシン誘導体を合成することができた。本合成法を用いて、各アミノ算残基を置換した6種のムレイドマイシン誘導体を合成した。また3-アジド-5-アジドメチルベンゾイル基を導入したプローブも合成した。これらの酵素阻害活性と抗菌活性を評価したところ、活性が大きく減弱した。合成の過程での異性化が考えられるため、現在各合成経路の再検討を行い、すべての立体化学の確認を行っている。 ムライマイシン誘導体についても、我々が既に確立した液層法による全合成経路を固相合成に適用することで、第1次固相合成による約100化合物からなるライブラリーを調製した。これらの抗菌活性を順次検討しているが、緑膿菌に有効な誘導体を見出す事が出来ている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ムレイドマイシンについては、固相合成経路を確立する事ができ、またいくつかの誘導体合成とその生物活性評価を終了している。 ムライマイシンについては、第1次固相合成で、予想を上回る化合物ライブラリーを調製することができた。これらの抗菌活性を順次検討しているが、緑膿菌に有効な誘導体を見出す事が出来ている。
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Strategy for Future Research Activity |
ムレイドマイシン誘導体の活性消失の原因をいち早く解明し、活性化合物の取得とそのジアジドプローブ化を行う。ムライマイシンについては、ライブラリーの活性評価、高活性化合物のプローブ化とその標的解明にむけたつり上げ実験を行う。両研究から良いペプチドキャリアーを選択し、ペニシリン等これまで緑膿菌には無効であった抗菌剤を結合した誘導体を合成し、天然物の特質を生かした新規抗緑膿菌薬のリード開発を目指す。
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[Journal Article] Expansion of antibacterial spectrum of muraymycins toward Pseudomonas aeruginosa.2014
Author(s)
Takeoka, Yusuke; Tanino, Tetsuya; Sekiguchi, Mitsuaki; Yonezawa, Shuji; Sakagami, Masahiro; Takahashi, Fumiyo; Togame, Hiroko; Tanaka, Yoshikazu; Takemoto, Hiroshi; Ichikawa, Satoshi*; Matsuda. Akira.
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Journal Title
ACS Med. Chem. Lett.
Volume: 5
Pages: 556-560
DOI
Peer Reviewed
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