2014 Fiscal Year Annual Research Report
有機分子触媒による酸素酸化分子変換システムの開発
Publicly Offered Research
Project Area | Advanced Molecular Transformations by Organocatalysts |
Project/Area Number |
26105742
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
今田 泰嗣 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (60183191)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | フラビン触媒 / 酸素酸化反応 / 水素化反応 / 脱水素反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
本応募研究課題では、実用的な酸素酸化分子変換システムに利用可能なフラビン触媒開発のために、機能性反応場を有する固相担体にフラビン分子を固定化し、担持型触媒として回収再利用を可能にすると同時に反応場に由来する高活性・高選択性など触媒自体の高機能化を達成することを目的として研究を遂行した。 テトラメタクリル酸リボフラビンとジメタクリル酸エチレングリコールとの相分離ラジカル共重合により、架橋多孔性高分子のネットワーク中にフラビン分子を固定化したフラビン担持型ポリメタクリル酸エステル触媒を合成した。また、ジメタクリル酸グリセロールとの共重合によりフラビン分子周辺のネットワーク構造にヒドロキシル基を配置した固相担持型フラビン触媒を併せて合成した。これらの触媒を用いてヒドラジンの酸素酸化を鍵とするオレフィンの水素添加反応およびベンジルアルコールの光誘起脱水素酸化反応を検討したところ、いずれの反応においても担字型フラビン触媒は高い活性を示しただけでなく、反応後の回収再利用が可能で実用的な触媒として利用できることを明らかにした。 一方、これまでの研究では、当初企図した反応場の導入による劇的な触媒活性の向上には至っていない。そこで次年度の研究では、中性フラビン分子への更なる高機能反応場の導入による触媒活性の向上に加えて、潜在的に高い活性を有するカチオン性フラビン分子の固相担体への固定化を検討する。フラビニウム塩水溶液と陽イオン交換樹脂との反応で樹脂上にフラビニウムカチオンを固定化できることを本年度の研究で明らかにしている。この知見を元に、より効率の良い固定化の方法を探索し、合成した担持型フラビニウム塩触媒を用いて様々な反応への展開を検討する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初企図した一連のフラビン担持型ポリメタクリル酸エステル触媒の合成に成功し、これらがヒドラジンの酸素酸化反応を鍵とするオレフィンの水素添加反応やアルコールの光誘起脱水素反応において均一系触媒に匹敵する活性を有しており、回収再利用も可能であることを明らかにしている。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究では、反応場の導入による劇的な触媒活性の向上には至っていない。そこで次年度の研究では、潜在的に高い活性を有するカチオン性フラビン分子の固相担体への固定化を併せて検討する。
|
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] 高分子固定化フラビン触媒の開発2014
Author(s)
荒川幸弘, 大西崇裕, 幸田貴大, 佐藤文彬, 南川慶二, 今田泰嗣
Organizer
第63回高分子討論会
Place of Presentation
長崎大学文教キャンパス(長崎県長崎市)
Year and Date
2014-09-24 – 2014-09-26
Invited
-
-