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2009 年度 実績報告書

重症急性呼吸器症候群の重症化機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21790455
研究機関(財)東京都医学研究機構

研究代表者

安井 文彦  (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 主任研究員 (40399473)

キーワード個体 / 免疫応答 / 肺炎
研究概要

重症急性呼吸器症候群(SARS)は、SARSコロナウイルス(SARS-CoV)感染によって引き起こされる過剰な免疫応答を原因とした重篤な急性肺炎であるが、如何にして過剰な免疫応答が誘導されているのかについて、その機序は不明な点も多い。本研究では、SARS-CoV感染により肺炎を発症する老齢BALB/cマウスを用いて、ウイルス排除に関わる免疫応答と肺炎発症に至る機序との関係を解析し、SARS-CoV感染に対する免疫応答を介した肺炎の重症化機序の解明を目的とした。
本年度は、まず、野生型マウスであるBALB/cマウス(7-8週齢、>6ヶ月齢)及び免疫不全マウスであるSCIDマウス(7-9週齢)へのSARSコロナウイルス感染による肺中ウイルス量の経日変化を解析した。その結果、BALB/cマウスでは、いずれの週齢においても感染後9日までには検出限界以下にまで肺中ウイルス量が減少していたのに対して、SCIDマウスでは感染21日後においてもウイルスは排除されず、持続感染化していることが判明した。更に、興味深いことに、重篤な肺炎を呈することなく、持続感染化しており、SARSの肺炎の重症化には獲得免疫応答の関与が強く示唆された。そこで、SCIDマウスへ老齢(>6ヶ月齢)BALB/cマウスの脾細胞を移入した後に、SARS-CoVを感染させたところ、BALB/cマウスと同様に感染9日後までに肺中ウイルス量は、検出限界以下にまで減少していた。しかしながら、移入した免疫担当細胞は、老齢マウス由来であるにも関わらず、顕著な肺炎像は認められなかった。以上の結果より、老齢マウスにおける体細胞からのサイトカイン等の液性因子の産生量が肺炎発症には関与している可能性が示唆されたことから、現在、種々の液性因子の産生量の解析を進めている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Analysis of the mechanism by which BALB/c mice having priorimmunization with nucleocapsid protein of SARS-CoV develop severepneumonia after SARS-CoV infection2010

    • 著者名/発表者名
      Fumihiko Yasui
    • 雑誌名

      Procedia in Vaccinology (印刷中)

  • [雑誌論文] SARSワクチン2009

    • 著者名/発表者名
      安井文彦、小原道法
    • 雑誌名

      化学療法の領域 25

      ページ: 47-55

  • [学会発表] Analysis of the mechanism by which BALB/c mice having prior immuni zation with nucleocapsid protein of SARS-CoV develop severe pneumoni a after SARS-CoV infection.2009

    • 著者名/発表者名
      Fumihiko Yasui
    • 学会等名
      3^<rd> Global Vaccine Congress
    • 発表場所
      The Ritz-Carlton, Millenia Singapore
    • 年月日
      2009-10-04
  • [学会発表] SARS-CoVヌクレオキャプシドタンパク質を前免疫したマウスへのSARS-CoV感染により惹起される肺炎重症化機序の解析2009

    • 著者名/発表者名
      安井文彦
    • 学会等名
      第13回日本ワクチン学会
    • 発表場所
      北海道・ロイトン札幌
    • 年月日
      2009-09-27

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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